「自分の食べる物くらい自分で作る」
 かつての先輩達はやらざるを得なかった。
 …でも言います。
 「いまよりまだあの頃のほうが良かった」と。
 一体何が良かったのだろう?…やっぱり自然と一つで居られたつながり、美しさや、充足のような今では減少してしまった感動だと感じます。じゃあどうして今より良いのか?それは人々の心の疎通が行き渡っていたからだと。それが現在ではお金に成り代わり、かなりの工程をとばして希薄になったのだと。環境・コミニケーション・感覚がもうぜんぜんそれは違うと思うのです。
 お金というものは紙と金属です。食べられないし、いざ山の中、つかえなくなったら何の役にも立ちません。正直出回り過ぎてしまっていつのまにか本来の在り方からかけ離れて行ったのでしょう。スーパー・コンビニがいけないと言っているのではありません。かつては衣食住のあらゆる事を祖先は根本から出来たという事がスゴいと言うこと。そこを今の社会はせっかくここまで進歩して来たのにとにかく許可、資格などといって出来る事も出来なくしてしまっている。もっと国内の柔軟性のようなものを国民に与えているだろうかといったところです。
 この一義的な分野でこれから変化が現れてこれからは自由に結果オーライな悪くいえば戦後どさくさ的な世界、なんでも出来て当たり前というのが一番受け、また突出すると思います。だから僕も全て賄って行けるようにどこまでも人生を学びの場として眼を光らせていたいです。
 難しい事ではありません。当たり前の事。

 ちょうどそのミックス状態が素敵だろうと思う。細分化された分断の社会から世の中の本質がクローズアップされ普段疎遠になりがちな人と社会と自然が統合されて行けば良いと思います。だから社会的な肩書きは「一応」でよいと思います。「一応、株式会社マルチサポート・『手元』代表取締役」とか。芯さえしっかり気概を持っていれば思いつきの様なものを羅列したってかまわない。

 非営利団体で「自然と人をつなぐ」フリーランスのエッセイスト・評論家、作家。アウトコミュニケーター。お手伝いクラブ。「相談窓口とつなぐ会」などなど…。
 
 

 物品を売って当面の生活費は捻出し、少しずつ働いて少しずつエンジンを温めて行く。身体・こころ・精神のメンテナンス、錆を落としたり、詰まった所を掃除したり、不健康な習慣・不摂生を摂生へ。人生に感謝し、人生を楽しみ、よろこびを持って人と接して行く。今ある世の中のよろこびと接して行く。たのしみへと向かう。賛美できる世界について思いを馳せる。吸収し放射してまた回収する。
 恐れを友とし、克服する。
 友人に学ぶ。大切にする。感謝。
 
 放った事の反応を綿密に分析。
 体内に入れるものに関しても砕身の注意を。
 分をわきまえて。単純に。


 アルバイトを通してくぐった現場の数は五十を下らない。履歴はザッとこう。

 ウェイター、簡単な調理、建設現場手伝い、引越助手、荷物仕分け、スポット溶接、ブレーキパッドの加工ライン、ガードパイプの塗装ライン、皿洗い、橋梁部品の洗浄、交通警備、造園土木、テレクラのフロントオペレーター、マッサージ師見習い、健康食品などの発送発注事務、ホテル客室清掃、スパゲティショップの厨房…

 自分の時間と身体をお金に換えてなんでもせざるを得なかった、どうして定職に就かなかったのか疑問だ。アルバイトは雑用専門である。だから事の中枢にまで浸れずじまいで雑用のプロみたいになってゆく事が多い。最期は搾りカスみたいになってスキルもないなんだかわからない存在になっていた。ここがおおきな落とし穴だった。けれどやたら動きの良い適応能力みたいなものだけが冴え渡った。実際何かと雑用は現場のなんでもないけど辛い内容の作業が回ってくる事が多いと思った。またがむしゃらに働いてしまいがち。

 でもどうしてもその体質は染み込んで行く。
 人生がアルバイトになってしまう。
 小さくこびへつらうような姿勢。
 どうせやめればいい。しょせんバイト。
 
 「でも本当に一生懸命はたらいたんだよ、根がそうだから。」
 「だから悲観的に昇華すべきじゃないよ。否定してどうするんだ、これも分析なんだから。職種だけで18種類こなせただけ立派だよ。」  
 「アルバイトも社員もさほど今変わらない世界になって来た。要は本人の人格、心構え。小さくこびへつらうような姿勢だって?そんな事どうだっていい。ハッキリ何がしたいのか、何をしたかったのか、どういうふうでありたいのか、あなたは知ってる。お金を得るための手段だけがあなたじゃなかったとおもう。むしろ経験を生かせる。もんだいはチョイスだ。チョイスしたら足りなかったところを独学でなんとか完成させたら良い。」 
 「うん…」

 ぶち破ろうと思った。
 今までの僕を。
 どうかしてしまった状態だった今をなんとか総括してみたいと思った。
 僕は作家になりたかった。
 クリエイティブな事がすきだった。
 世の中の不幸を払拭したかった。
 世界の安泰を祈っていた。
 安心して暮らせる世界の到来を夢見た。
 平和で美しい世界。
 最高の世界。
 
 なんかまだ悲観的だ。よし。

 私は作家だ。
 クリエイティブデレクターだ。
 世の中の不幸を払拭します。世界の安泰を実現します。
 安心して暮らせる世界の到来を実現させます。
 平和でありがたい、美しい世界に感謝し、奉仕します。

 言い切ってしまえばいいんだ。