彼は産まれてすぐ施設にいた。

気がついたら3歳だったという。

おかあさんも、おとうさんも、わからなかった。また、小さな妹も、いた事でさえ、わからなかった。

そこは、いわゆる、児童養護施設だった。

施設の保母さんは三年サイクルで移動する、執着させないためだそうだ。

彼女(保母さん)は最後に彼の手を握り目を見つめ、ずっと、ずっと、手を握っていたという。

彼は、中学になり殺人を犯す。