白蝶花 | 日々の動向と業務の記録。

白蝶花

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白蝶花/宮木 あや子
宮木あや子さんの『白蝶花』という小説を読みました。
この方は、「花宵道中」を読んで好みだったので、読んでみましたが・・・。
また、違ったテイストでいい意味で裏切られましたね。
あえて、共通点を無理やり作るならやや官能的だということ。

この本は、「戦時中の、女たちの物語」

17歳という若さで、戦死する、大好きな男の子。
決して結ばれることのない、悲しすぎる運命。
戦死した男の子を身ごもり、彼が唯一この世の残した命をつなぐため、家族に勘当されながらも、ひとりで産むことにした女の子。

当然、世間は、彼女に辛くあたる。

「親の気持ちも考えてみなさい」

そう言われて、彼女はこう思う。

「弾薬を積んだ桜花に乗って敵の戦艦に突っ込み、命を散らす少年兵の親の気持ちを考えてみろと、軍人の前で言ってみてはくれませんか。そうして死んでゆく男の命を、せめて子を産むことでつなぎたいと、親になることを望む女の気持ちを考えようとは、してくれませんか?」

読んでいて、何度も、全身に悲痛が突き刺さった感じがしました。

今の、この平和がなければ、今、戦争中だったとしたら・・・・。
男は兵士という国の武器であり、女は兵士となる男子を産む機械のように扱われた、そんな悪夢のような時代が、たった60年くらい前に、日本にあったんですね。

なんとも言えない恐怖を感じました。

戦争のことは、歴史の教科書に書いてあったからテストに出た範囲ではもちろん覚えています。
ただ、テストに出るから、覚ようとした。というなんの感情も入らない、ただ無機質な作業として・・・。

日本史の授業中には、当時17歳だった私たちに、自分と同じ年くらいの男子や女子が、戦争中にどんな想いで泣いていたのか、考える時間さえ与えられなかった。

今も、海の向こうでは戦争中。私のいる国もまだ戦争を続けています。
きっと、男が、女が、子供が・・・。みんなが、泣いている。

テストなんかより、もっともっと、大事な何かが教育から抜け落ちていると思う。

人間の感情を揺さぶらずにはいられないような歴史の教科書ができればいいのに・・・。

「あなたが今、恋をしている男の子が、戦争に行くことになりました。彼が、死んでしまうかもしれない。その時、あなたは、何をおもう?」

「あなたは男だから、 国のために、家族のために、愛する女のために、死んでください。その時、あなたは、どう感じる?」

歴史の授業中に先生がそう言ったら、視線をあげない生徒はいないと思う。
きっと、居眠りなんてノンキにしてられないし。もっと真剣に考えるんじゃないかな??

「ここ、テストに出るぞ!」

それって、戦争を経験した人たちが、平和な未来を生きる子供たちに伝えたいことなのですか?

・・・このままだと、日本もいつかまた、そう遠くない未来に戦争を繰り返すことになりそうで、私はとてもとても怖いんです。
話は脱線してしまいましたが・・・。

「あなたは命がけで守りたい人はいますか?」 と、聞かれているような気がした。
そんな人生の教科書みたいな本です。
白蝶花/宮木 あや子
花宵道中/宮木 あや子