こんにちは。

中学受験プロ家庭教師のチャーリーです。

今回のテーマは「誘導問題に気づけ!」です。

 

ここ最近栄東中の理科の入試問題では力学の出題が続いています。

中にはかなり難易度の高い問題もふくまれます。

難易度の高い問題に出くわしたとき、覚えておいて欲しいことがあります。

それは問題を解くヒントは前の問題に隠されていることがあるということです。

前の問題の答えを前提に後ろの問題がつくられていることがあります。

つまり誘導問題です。

問題が難しいと感じたら是非一度誘導問題かなと疑ってください。

前の問題にその難しい問題を解く手がかりがあるかもしれません。

 

 

 

 

問題1

つるしたものの重さと伸びの関係が図1に表されるようなばねAと、ばねAと自然長が同じですが、かたさが異なるばねBを用いて、図2のような装置を準備しました。

(2019年度 栄東中 A日程 改題)

 

図1

 

 

 

図2

 

問1

このとき定規の5cmだったところは320gとなりました。ばねBについて、つるしたものの重さと伸びの関係を示すグラフ(ばねBにとっての図1のグラフにあたるもの)を、図3のア~キから1つ選び、記号で答えなさい。

 

図3

 

【問1の着眼点】

ばねが上下に直列の場合、力は上下のばねに等しくかかる

 

【問1の答え】

図2は、ばねAとばねBが上下に直列に並んでいます。

ばねが上下に直列の場合、力は上下のばねに等しくかかります。

図2では、ばねAにもばねBにも320gずつ力がかかっています。

図1より、つるしたものの重さが320gのとき、ばねAの伸びは4cmです。

定規は5cmを指していたので、ばねBの伸びは1cmになります(5-4=1)。

つまり、つるしたものの重さが320gのとき、ばねBの伸びは1cmです。

この関係をしめしているのは、「キ」になります。

 

 

 

問2

図4のように、2本のばねAを4cmの間隔を開けて並べて付けた装置を準備しました。なお、2本のばねAの下端P点、Q点には、30gの一様なかたい棒Cが取り付けられ、棒は水平を保っています。また、重さの無視できるひも付きのフックがP点とQ店の中点に取り付けられています。これまでと同様に、つまようじの先端が定規の0cmを指すように、調整しました。

 

図5で、定規の5cmだったところはフックに何gをつるしたときですか。次のア~オから1つ選び、記号で答えなさい。

 

ア 200g   イ 400g   ウ 600g   エ 800g   オ 1000g

 

図5

 

 


【問2の着眼点】

同じばねが左右に並列の場合、つるした重さの半分ずつ左右のばねにかかる

 

【問2の答え】

図5は、ばねAが2つ左右に並列に並んでいます。

同じばねが左右に並列の場合、吊るした重さの1/2ずつ左右のばねにかかります。

図1より、ばねAの伸びが1cmのとき、つるしたものの重さは80gなので、

ばねAの伸びが5cmのとき、つるしたものの重さは400gです。

図5では、左右のばねAに400gずつかかっているので、フックには2倍の800gかかっています。

よって、正解は「エ」です。

 

 

問3 

図6のように、図5の左側のばねAをばねBに取り換えた装置を準備しました。左右のばねのかたさの違いが原因で、棒Cが傾いてしまうため、水平となるように棒Cの左端を手で支えました。

 

ひも付きのフックに90gのおもりをつるしたものを、図6の棒Cに取り付けて、棒Cが手の支えなしでも水平を保つようにします。P点から右へ何cmのところにおもりを取り付ければよいですか。次のア~オから1つ選び、記号で答えなさい。

 

ア 0.4m   イ 0.8cm   ウ 1.2cm   エ 1.6cm   オ 2cm

 

図6

 

 

【問3の着眼点】

異なるばねが並列の場合、力はどのようにかかるか?

 

【問3の答え】

棒Cには棒の重さ30gとおもりの重さ90gの合計120gの力が下向きにかかります。

棒が水平を保つとき、上向きの力=下向きの力なので、

ばねAとばねBに上向きにかかる力の合計も120gです。

 

では、ばねAとばねBにどのように力がかかっているのでしょうか?

同じばねが並列のとき、力は1:1にかかります。

ばねAとばねBのように、異なるばねが並列のとき力はどのようにかかるのでしょうか?

 

実は、この問のヒントは前の問題(問1)にあったのです!

問3は問1からの誘導問題なのです

 

下の図7を見てください。

図7

 

図6の棒Cを水平に保つには、ばねAとばねBの伸びが等しくなければなりません。

図7より、ばねBはばねAより硬く、ばねAの1/4しか伸びません。

したがって、ばねAとばねBの伸びを等しくするには、ばねBにばねAの4倍の力がかかる必要があります。

ばねAにかかる力を①とすると、ばねBには④の力がかかります(図8)。

 

ばねAにかかる力=120g×1/(1+4)=120g×1/5=24g

になります。

 

 

 

図8

 

点Pを支点とすると、次の図のような3つの回転する力になります。

図9

 

右回りの力=左回りの力なので、

90×□+30×2=24×4

□=(96-60)÷90=0.4

 

したがって、「ア」が正解です。

 

 

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