彼女はジム練習が終わってシャワーを浴びてはかりに乗る。
たかだか100グラムの目盛りひとつを気にしてる。
そんなふうにして水分を飲もうかどうしようか悩んでけっきょく飲んだ。
窓際に行ってぼんやり道路を見た。
ジムの前の道はせまくて近所の人が歩いたり自転車が走るくらい。たまに車がゆっくり通り過ぎる。顔見知りと会釈をしたり言葉を交わしたりする。
特に変化のない住宅地の一角。
すぐそばに本屋と古本屋が並んでる。
三百円ちょうだい。古本屋に行ってくる。
そう言ってジムを出てった。
10分くらいして、くまのプーさんの小説を二冊買って帰ってきた。
一冊105円。
90円のおつりを返してきた。
リングサイドの見学者用パイプ椅子で読み始めた。
プロ選手らが激しい息づかいでミットを、サンドバッグを打ちまくるすぐそばで、何ごともないかのようにくまのプーさんを読みふけってる。
絵みたい。
これっぽっちも動かないし。
そんなふうにして数時間後にいっしょに家に帰る。
