唇の色ばかり考えちゃうんだ。
思い出せないよ。もう。
まあいいや。そんなこと。
薄いピンクの花ばかり見上げてたら頭がおかしくなりそうだぜ。
そんなけだるい昼間に畑を通りかかったら目がつぶれそうな菜の花。
明るすぎるベッド。
地球が終わりそうなほどのまぶしい黄色。
一緒に倒れ込んだら楽しそうだね。
隠れちゃおうぜ。
あきるまでずっと。
夜でもきっと明るいよ。
花の色がおまえの肌を照らす。
そこでおまえの唇を見るよ。
ずっと見るよ。
見せてくれるだろ。
会おうよ。
こんな場所で。
身を低くして。
隠れ方を教えてあげるから。
ぼくはそういうの得意なんだ。
隠れたり。逃げたり。
おまえの唇が見たいんだ。
それが動くところが。
おれを傷つける言葉を言うところが。
見たいんだ。
その唇を捕まえてやるんだ。
その唇をつぶしてやるんだ。
ぼくらは笑い合うだろう。
声を殺して。
誰にも見つからないように。
それならいいだろ。
いいだろ。
