波打ち際で揺れる黒い影たち。
いったりきたり。
夏に遊びすぎるキリギリスに見えるけれどあれはただの影。
今はまだ春になったばかり。
冬が過ぎたばかり。
高い青空には大きな茶色の鳥が群れている。
回って飛んでいる。
哺乳類の赤ちゃんを狙う猛禽類が鋭い目のきらめきを。
砂浜ではしゃいでるのは過保護の猿の子どもたち。
岩陰にたくさんの九龍虫が。
飛行機雲があっというまに崩れてとける。
ゆるめのソフトクリームと同じ哀愁。
石を投げれば届きそうなあの島はヨットのビバリーヒルズ。
ダイヤモンド色の夕日が落ちるの見て涙する悪人ども。
善人のふりをするのは簡単なこと。
お手本はどこにでも垂れ流されてる。
街角のプラズマビジョン。
鳥にミサイルを発射したって当たりはしない。
おまえにとって鳥はばかに見えるかもしれない。
ただそう思うことは大抵あてにならない。
おまえが大きくなったって当てはまる。
ただ思うなんていうのはだめな人のやること。
集中して感じろ。
潮風が髪の毛のすきまに入り込んだ。
潮風に乗った砂の粒が髪の毛のすきまに入り込んだ。
いきものの動きはどこかのすきまに潜り込むためさ。
集中して見つけろ。
どこかを。
いったりきたり。
