風が吹いてそれが止む。
強い風が吹いてそれが止む。
でもそれは違う。
遠くの町ではまだ風が吹いている。
それを静かになったこの町から見ている。
遠くの町は大変だろうなあと考えながら笑っているのは誰だ。
安心して笑っているやつはまぬけだ。
ぼくらは繰り返してきた。
ぼくらはこれからもそれを繰り返していく。
恐ろしい風はまたいつかやってくる。
だから思いやりを持たなくてはいけない。
おまえがおまえのことだけ考えるならそれもいい。
勝手にしろ。
おまえはおまえ。
自由にふるまえばいい。
あの深い色をした雲を見てごらん。
恐ろしい雲だと思うだろう。
思わなくてもいい。
別にどうでもいい。
あの奥に神様が住んでることをおれは知ってる。
おまえが知らなくてもどうでもいい。
おれはおれが愛すひとを探す。
おまえはおれの前にいなくてもいい。
気にすることないさ。
おれはおれで探すよ。
おまえはおまえで探せばいい。
風で飛ばされて姿を変えたひとがもう一度おれの前に現れるかもしれない。
おれ自身がそんな感じなんだろうなあ。
いったいどれだけ姿を変えたんだろう。
そんなこともどうでもいい。
今のおれが一番正しいおれだ。
来年は来年の正しいおれが現れる。
昔の自分を恥じることはない。
昔のおまえのことについてはどうでもいい。
神様もそういうふうに考えている。
雲の後ろからぼくらを見つめてる。
そのことをおれは知ってる。
恐ろしいよね。
恐ろしいことだよ。
