根源的な疑問
僕は永い間、努力をしないで成功するなんてあり得ないと思っていました。
人一倍努力するから、その褒美として美酒が飲めるのだと固く信じてきました。
そして努力は、休むことなく続けなければ没落していくと思っていました。
でも、それって苦しみが伴います。
でもでも、それが人生なんだと思っていました。
しかし、そうなると「人生とは何なんだ」ということになります。
神というものが存在するなら、何のために人間を作ったのかということになります。
苦しい人生を人間に課して何の意味があるのだということになります。
生きるということに苦しみを感じるのは、人間だけではないでしょうか?
他の生き物は、ただ単に生きているだけで、苦しいなんて思っているとは思えない。
こんな言い方をすると、他の生き物をバカにしているように聞こえるかも知れませんが、そうではありません。
むしろ逆!
鳥が空を飛ぶ理由は、常に目的を持って飛んでいるわけではないはず。
明日はエサにありつけないかも知れないから、食べられるときはトコトン食べておこうなんて考えてるとは思えない。
お腹が空いたらエサを食べ、空腹が満たされたら空を飛んで遊んでいる。
ただそれだけ。
その日暮らしの哀れな存在と見るか、自由気ままな素晴らしい生き方と見るか?
世の中に何の価値ももたらさない、居ても居なくてもどうでもいい存在と見るか?
人間だけがどうして必死に生きなければならないのでしょうか?
必死で生きていない人間は、居ても居なくてもどうでもいい存在なのでしょうか?
こんな素朴な、でも根源的な疑問に対する答えを、僕はずいぶんと年月をかけて探しました。
(続く)
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