てぃがのブログ
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矜持

いまだ新型コロナウイルスの影響下から人類は抜け出せておりません。時にこの微生物との戦いは戦争に例えられます。細菌兵器を想定した訓練の賜物かどうか定かではありませんが、自衛隊の皆さんはさすがにCOVID-19罹患者の対応にあたっても、感染者を出していませんね。

 

ところで生物兵器対策の部署は意外なことに経産省にもあります。そしてその部署は化粧品の国際振興を担う部署と同じところがやっています。以前展示会で講演された経産省の方は名刺交換をすると肩書に「生物兵器対策室」と入っていました。

 

その方が仰っていたのは、日本の化粧品の潜在需要の何割かは韓国に食われている。

理由は、商品は日本の方がよくても、日本人は英語を話さず、交渉しても一旦社に持ち帰って検討しますという返事。でも韓国の企業は英語が通じて、その場にいる人が決済するのでスピーディー』だからだそうです。

 

もう一つ、化粧品で韓国との差を感じるのは効果の表示範囲に関する制度です。

韓国には機能性化粧品というカテゴリーがあり、美白効果も、しわを改善する効果も両方標榜することができるというものです。

 

日本の化粧品メーカーもコストと時間をかけて様々な研究をしています。事実大手メーカーのHPを見ると、新規の発見を報じるプレスリリースのバックナンバーが数多くアーカイブされています。

しかし、化粧品の標榜できる効果の範囲があまりに限定的なために、この発見がそのまま製品の説明に反映されることはほぼありません。

しかも、原料段階で証明された効果を製品のものとして標榜してもいけません。製品ページからリンクで飛んでもアウトだと消費者庁から言われています。

 

ただし、使ってもらえばその効果のほどは実感いただけるだろう、ということで大手は綺麗な女優さんやモデルをCMキャラクターに使います。消費者に「これを使えば私もあの人みたいにきれいになれる!かも・・・」と思ってもらえないと手にとってもらえないので。

他にも、とにかくサンプルを配りまくるとか方法はありますが、最近は有名な美容関係のブロガーに書いてもらう!というのもあります。

 

しかし、ブログや動画として紹介されているものの中には、明らかに化粧品として標榜できる内容を逸脱しているものもあります。悪質なのになると有名なブロガーの写真を勝手に拝借してきて、あたかもその人がリコメンしているかのようなWEBページをつくったりもします。私も知人が勝手に顔写真使われたのを発見したことがあります。

その時はアフィリエイターが勝手にやっていたのではなく、メーカー自ら手を染めてしまっていました。

 

せっかく研究の成果を製品に反映しても、それを伝えられない。そのジレンマは理解できます。だからと言ってメーカーはいわば正規軍です。ゲリラ作戦は褒められません。

戦い方にもメーカーとしての矜持を持つべきです。

 

同時に業界として、標榜できる範囲の拡大を求めていく姿勢も必要だと思います。

インスタのフォロー外しました

ずいぶん久しぶりの更新になります。

 

これまで何年も公共施設内のジムを利用していましたが、11月から民間の24時間営業のジムに登録しました。低価格で自宅の近くで便利なので、月間のトレーニング回数も30%アップしました。

そういう事もあり、インスタグラムでトレーニング関係を色々とフォローしています。

その中に「あれっ?」と思う投稿がありました。

以下の投稿です。

https://www.instagram.com/p/B5zO-U9hlma/

 

要旨は「アメリカで健康を害するとして規制となったトランス脂肪酸は、人間が科学のカで生成した自然界には存在しないものである。日本では表示義務さえない」となっています。

 

この投稿には2点の間違いがあります。

その1.アメリカではトランス脂肪酸が規制されているのではなく、部分水素添加油脂が規制されています。投稿中の新聞記事は日経新聞が2007年7月2日に掲載したものだと思われますが、NY市の外食産業に適用したものあたかも全米で規制されたかのように書かれています。

 

その2.トランス脂肪酸は天然にも存在します。牛や羊など複数の胃を持つ動物は体内では、トランス脂肪酸が生成されます。

 

投稿中の記事は12年も前のものですが、全米でトランス脂肪酸に関連して部分水素添加油脂が規制されたのは2016年のことです。以下にFDA(全米食品医薬品局)の発した規制を農水省がしっかり解説しているので、ご一読ください。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/overseas/usa.html#PHOs

 

読んでいただければわかりますが、トランス脂肪酸そのものを規制したものでは
ありません。なぜなら先に述べたようにトランス脂肪酸は牛肉や乳製品にも含まれるので、一切の含有食品を禁止することは現実的にできません。

またなぜ、日本で規制がないかと言えば、その必要が日本人の食生活では不要だからです。以下の農水省HPにトランス脂肪酸に関する詳細が分かりやすくでていますので、こちらもご一読ください。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/#2

 

FDAが規制した2016年当時、大手のメディアでも間違った記事が多く出ましたので、当該の投稿も勘違いなら仕方ありません。

 

ところが、天然に存在しないという部分は明らかに間違いなので、コメントで指摘したところ、このジムのインスタグラムアカウントは、私のコメントを削除し、以降すべての投稿でコメントできなくなりました。

これは悪意があるといわざるを得ません。

残念ですが、私はこのジムのフォローを外しました。

 

今は個人でも様々なメディアで情報発信できるようになりましたが、その分誤情報や、自社の製品・サービスをアピールするための意図的な誤情報も多く存在します。

 

政府も色々やらかしますが、一応公的な省庁もわかりやすい情報発信をしてくれていますので、できるだけそういうところで確認するようにしてみてください。

「アメリカ・カナダでトランス脂肪酸を含んだ食品の全面禁止!」はウソです!

「アメリカ・カナダでトランス脂肪酸を含んだ食品の全面禁止!」はウソです!

 

今回は、タイトルから少し刺激的です。

 

最近(でもありませんが)、トランス脂肪酸およびそれを含むマーガリンなどへの悪意ある記事や投稿を目にします。

その多くは、『アメリカでは健康に害があるとしてトランス脂肪酸を含んだ食品が禁止になった。それなのに日本は表示義務さえない。けしからん。』というものです。

 

こういった事実を捻じ曲げた発信こそけしからんと思うのですが。

 

そもそもトランス脂肪酸とはどんなものでしょうか?

 

脂肪(食用油)には一般に以下の3つのタイプの脂肪酸が混ざっています。

①   飽和脂肪酸:常温で個体。酸化しにくい。 

②   一価不飽和脂肪酸:常温で液体。多価不飽和脂肪酸より酸化しにくい。

③   多価不飽和脂肪酸 常温で柔らかい状態か液体。酸化しやすい。

 

トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸を製造(常温で固形で、酸化しないため扱いやすい)するための水素化や、不飽和脂肪酸を多く含む植物油の精製の際に生じます。そのため、不飽和脂肪酸を多く含む油脂を水素化して製造するマーガリンやショートニングには数%から十数%含まれます。
こうした工業的に作られたトランス脂肪酸は、冠動脈性心疾患による死亡、突然死、および糖尿病に罹るリスクや、メタボリックシンドロームと診断される内臓脂肪の蓄積や脂質異常、高血圧、高血糖の数値を高めるとされ、その影響は過去に考えられていたよりも大きかったことが近年わかってきました。

そこでWHO(世界保健機構)は、全摂取カロリーの1%以下にするように推奨しています。

 

ということで、トランス脂肪酸が健康にとってリスクがあるということは事実です。

しかし、アメリカ・カナダで禁止されたのは、上記のようにトランス脂肪酸を含む全食品などではありません。

 

食品安全委員会のホームページによると

食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について

                                  (平成27年6月19日更新)

というトピックで、以下のように記載されています。

  『平成27年6月、FDA(米国食品医薬品庁)は、トランス脂肪酸が多く含まれる部分水素添加油脂は、GRAS(従来から使われており安全が確認されている物質)ではないとして、食品に使用するためにはFDAの承認が新たに必要(2018年から)と決定しました。

   このFDAによる規制の対象は、トランス脂肪酸ではなく、部分水素添加油脂(マーガリンやショートニング等の原料)です。さらに、規制の内容は、使用禁止ではなく、現在GRASとなっており食品に自由に使用できる部分水素添加油脂を、3年後にGRASの対象ではなくするということです。新規にFDAに承認申請し認められれば、使用可能とのことです。』 ※上記段落中の太字は筆者による

 

同じく食品安全員会の資料に

「カナダ保健省(Health Canada)、部分水素添加油脂(PHOs)の食品への使用を禁止する方針を通知」(2017年9月15日付)
というタイトルのものがあります。

 

これを見ると一目瞭然ですが、トランス脂肪酸自体を禁止しているのではありません。実はトランス脂肪酸は天然界にも存在します。牛や羊などの反芻動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や牛乳、牛やヤギの乳から作った乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が含まれています。ですから、すべての食品のトランス脂肪酸を禁止にすると牛肉も、乳製品もまったく流通しなくなるのです。アメリカ・カナダでこんなことしたら北米中でパニックが起きます!

 

またこうした規制の目的は、トランス脂肪酸の摂取制限で、その目安は、全摂取エネルギー量に占めるトランス脂肪酸の割合を1%以下にしましょうということです。

いまアメリカではおよそ2.2%がトランス脂肪酸由来のエネルギー量だといわれています。

翻って日本はどうかというと、0.3%くらいです。WHOが掲げる目標値の30%でしかありません。つまり健康被害に影響を与えないくらい微々たる量だということです。こんなことを気に病む方がよっぽどカラダに悪いですよ。

 

それよりも、日本人の食生活においては不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の比率を考えたほうが、健康に寄与するといわれております。

 

蛇足ですが、以前は多価不飽和脂肪酸であるリノール酸を多く含む油を多く獲りましょうと言われた時代もありました。しかし現代では、こうした油は体内で酸化しやすいので、そればかりでもよくないということになっています。

 

食品や栄養素にゼロリスクはなく、欠乏症・安全な量/必要な量・過剰症があるということです。食用油の摂取に関してもバランスが大事です。

 

参考

食品安全委員会ホームページの当該頁

http://www.fsc.go.jp/osirase/trans_fat.html

http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04790100110

 

農水省のホームページ「トランス脂肪酸に関する情報」

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/index.html

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