インタビュー企画第四弾!
第30回東京国際映画祭(TIFF)では
「TIFFの過去・現在・未来」をテーマにインタビューをしています!
まずはじめに
この記事を読んでくださっているみなさん、
「大人も泣けるアニメ映画」
と聞いて、何の作品を思い浮かべますか?
僕が真っ先に思い浮かべる映画は、
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』
の二本です!!
『オトナ帝国』では
しんちゃんが傷だらけになりながら東京タワーを駆け上っていくシーン、
『戦国大合戦』では
涙を流さずには観られないラストシーンが
それぞれ強く印象に残る、どちらも
僕らの世代で観たことのない人はいないというほどの名作かと思います。
僕なんて、小さいころから何回観ていることか…!!
今年の東京国際映画祭では、
この2作品に代表される映画を作り出した
原 恵一 監督
の特集が行われるのです!!!
そしてなんと!
原監督にインタビューすることが出来ました!!
我々学生応援団、原監督を前にド緊張。
しかしここぞとばかりに、
原監督の作品がなぜこんなにも魅力的なのかを探ってまいりました!
実は原監督、
劇場版『クレヨンしんちゃん』シリーズの第一作目から制作に携わっておられます。
その当時、「子どもには刺激的なものは与えない」という
目には見えない風潮がアニメ業界に流れ始めていたそうです。
「クレヨンしんちゃん」の映画を作り続けている中で原監督は
「残酷なものが描けない」
と疑問に思うようになったそう。
そこで『オトナ帝国』を制作する際、
周囲には全否定されると思い続けながらも
子どもにとっては少々残酷な物語にしたそうです。
僕も小さい頃観たときは本当に怖かった…。
しかし公開して一転。
大反響を呼ぶ結果となります。
原監督は当時を振り返り、
「しんちゃんとはこういうべきという固定観念に縛られていた。
作り手である私たちは病気にかかっていた」
とおっしゃられていました。
ではなぜ原監督はそのように描くことができたのでしょうか?
インタビューの中で原監督が多用していた言葉があります。
それは
「刺激的」
「挑戦的」
という言葉です。
原監督は学生時代、
黒澤明監督や木下惠介監督の作品に強い衝撃を受け、
昔の日本映画が持つ魅力にとりつかれたそう。
名画座に通いつめる毎日を過ごしていたそうです。
そういった映画は
「非常に刺激的で挑戦的であった」
とおっしゃられます。
例えば
ラストシーンで主人公や主要な登場人物が死んでしまう。
観客は「殺さなくたっていいじゃん!」と思うかもしれませんが、
こういった刺激のある作品の方が
心に傷を残し、
人々の心に残るのは事実です。
僕も『戦国大合戦』を観たときは…もう…(涙)
(ネタバレになりそうなので省略)
他にも原監督作品『河童のクゥと夏休み』では、
メディアと人間が非常に怖く、おぞましく描かれています。
インタビューの後振り返ってみると、
このことも非常に挑戦的であるように思え、
きっと原監督が学生時代に観た昔の日本映画が強く影響しているのでは、
と考えさせられます。
原監督は学生に向けて、
「私の時代は名画座に行かないとそういった作品は観ることができなかった。
しかし今はレンタルビデオ店に行けばいくらでも観ることができる」
と今の学生を羨むように、
クラシック映画を観るよう勧めていました。
実は原監督、
休職して7ヶ月半に渡って東南アジアをお一人で旅した経験をお持ちです。
理由を聞いてみると、
長期間に渡る海外旅行をしたいという思いがずっとあったそう。
その旅はもちろん楽しいものだったようですが、
何でも自分一人でやらなくてはいけなかったため
かなり大変でもあったそう。
しかし自分の頭で考え、
自分だけの力で予定を立て、
知らないことを知る旅をするというのは
その後非常に役に立つ経験だったと振り返ります。
その経験は原監督にとって、
ものすごく刺激的だったそうです。
その旅で得たものがきっと原監督の作品に生きているのだなと感じます。
「今は手元で何でも手に入る時代。
だから旅に出て、
自分の力だけで生きていく経験を若いうちにしておいた方がいい」
と原監督は熱く語られます。
僕たち学生も、
原監督が昔の日本映画を通して現代映画にはないものを学び、
旅に出て壁を乗り越えていく経験を得たように、
学生のうちに違う世界に飛び出してみる
ことが大事なのかもしれません。
最後に原監督がおっしゃられた言葉でグッときた言葉をみなさんにもお伝えします。
「映画を観ることはちょっとした旅」
身近なところから旅を始めてみるのもいいかもしれませんね。
改めて!
そんな原監督の作品が今年のTIFFで特集されます!!
この記事にあげた作品の他にも
自殺を図った中学生が主人公の挑戦的な作品 『カラフル』
江戸時代の浮世絵師をテーマにした最新作 『百日紅〜Miss HOKUSAI〜』
など、原監督を知り尽くすことのできる豪華ラインナップ!
ぜひ笑って泣いて、 “旅” しましょう!
亀井稜
東京国際映画祭公式HP (http://2017.tiff-jp.net/ja/)
10月14日(土)から順次チケット発売開始!
原監督作品は10月14日(土)昼12時より発売!