浅倉美香です。
何よりも苦くて。
何よりもよく効いて。
何よりも優しい薬。
それは
時間
です。
日にち薬とはよく言ったもので
時間はあるべき場所に運び
あるべき関係を作り
あるべき心にしてくれる。
だって考えてみるとね、
今日まで生きてきて、
生まれてから今日まで悩み悲しみ続けたことが
ひとつでもあるだろうか?
生まれてから今日まで泣き続けるほど
苦しみ続けていることはひとつでもあるだろうか?
一年前の悩みも思い出せないほど
私たちは《イマ》を生きている。
だからこそ、《イマ》感じている、
悩みや悲しみや苦しみや淋しさを
痛いほど感じ、逃げたくなるのだ。
小さな心の傷も。
大きな心の傷も。
今できた心の傷も。
心に残った古傷も。
時が経てば、痛みも傷跡さえ消えてしまい、
傷があったことすら忘れてしまう。
何事もそう。
でもね、それでもまだ心が痛くてたまらないなら、
傷を見るのをやめてみよう?
傷は見れば見るほど痛くなる。
向き合うのもいいけど、ずっと向き合うほど
私たちは強くない。
一週間後も痛い?
1ヶ月後も治らない?
3カ月後は?
一年後は?
そもそも、その傷を見つめ続けてると
他の景色は何も目に入ってこないし
他のステキなことも通り過ぎてしまう。
治らない傷なんてない。
わざわざ過去の傷を取り上げて
大事にする必要はないんだよ。
あなたの傷はきっと
とっくに治っているから。
ゆっくりと時が経つのを待とう。
時間はあるべき場所に運び
あるべき関係を作り
あるべき心にしてくれる。