某所で知り合った学生との話。

「こんなゲームをつくりたい」みたいな話を聞きまして。


実際、ゲーム会社にはいったらこういうのを作る

チャンスはあるんでしょうか、と質問をされる。


「んー、自分のアイデアでイチから作れるチャンスってのは、結構レアだなあ」

「あ、そうなんですか?」

「まあねえ。会社にもよるだろうけど、だいたいは、

上層部から、"こんなゲームを作れ"って言われて動き出すことが多いんじゃないかなあ」

「なるほど」

「まあ、トップダウンといえばトップダウンだわな。

自分でイチからアイデアから組み立てられることって、そんなに多くない」

「ええ、それだと、プランナーっていうのは、どういう仕事をするんでしょう?」

「……え?」


 ……いやまあ、トップダウンっていっても、

 最初に、「**の続編、**万本販売目標で」とか、

 新作でも、「機種**でジャンル**、**のようなもの」みたいな感じでお題を提示される、って

 ことで、もちろんその先はプランナーの企画作りの話になるんだけど。


 こまかく予算割って、どんなゲームなら販売目標を達成できそうか、

 どんなゲームならユーザーに喜んでもらえるか、

 そういう部分は全部プランナーが考えるわけだし、

 仕様書へのまとめ、実際に作ってみての面白さの検証、改善案の提示、

 データの編集、バグシートの管理、その辺は全部プランナーの仕事になる。


 そういえば、数年前に入社した新人プランナーに、最初のほうの飲み会の席で、


「プログラマって、マスター間際まで忙しいですよね。

 プランナーって、そのころなにしてるんでしょうか?」


 って、まるでマスター間際のプランナーが暇してるとでもおもっているのか、って

 質問を受けたことがあったっけなあ。


 今おもうと、どっちも、「ゲームのアイデアを出す」「企画書を書く」ことこそが、

 プランナーの主たる仕事で、ほかの仕事、ってのがイメージできていなかったんだろうけど、

 うーん。そんなに、それ以外の仕事って、想像しづらいものなのかねえ?


 実際には、企画案を出すことなんて、全体の1/10にも満たない量なんだけどねえ……。



 あ、もちろん、その1/10が、プロジェクト全体に寄与する割合は

 そこそこ高いので、重要であるのは間違いないですがね。

 案を出すことより、それをいかに具体化・具現化して、

 面白いところに落とし込むか、って技量のほうが、はるかに出番は多いでしょう。


 大手で、年一本作るペースなら、企画案だすのはそのうちせいぜい1ヶ月。

 企画が数人でアイデア出しても、そのうち一本しか通らないとしたら……

 全仕事に占める「企画案出し」の比率の低さは、だいたい想像できるんじゃないでしょーかね。

 

 もっとも、仕事やりながらも、次の企画の案出しをやってるのがフツーだから、

 そういう意味では、企画案だしの比率はもっともっと高いわけですが(笑)

 自分でイチから立てる比率は、冒頭の事情もあって、すごく低いものになっちゃいますね。



 携帯電話のゲームやブラウザゲーム系なら、その辺はまただいぶちがうんでしょうけど。