今日は、ゲームとはまったく関係なしです。

個人的に、「いま一番面白いとおもう漫画」を紹介してみます。

単行本一巻発売前に、少しでも売れるように(笑)。

ジキルとハイドと裁判員 1 (ビッグコミックス)/森田 崇

画像まだないのね(==;


ビッグコミックスペリオール連載で、

公式サイトで第一話が読めますので、気になる方はそちらから。

http://big-3.jp/bigsuperior/rensai/jeky/index.html


来週、ようやく一巻が発売される、といったところなんで、

まだまだこれからですが、非常に面白い。

初期は連載を流し読みしてただけなので、

多少設定間違ってるかもしれませんが(笑)、紹介してみます。



主人公・辺見は、裁判員。

すでに裁判員制度(民間裁判員)が実施されている世界なので、彼の仕事は、

民間から召集された裁判員たちの意見をまとめたりするもの。

そんな彼が、ふいに

「自分の寿命と引き換えに、事件の真相を知る」

という、不思議な能力を手にしてしまいます。


被告の裁判結果を決める「裁判員」がもつ力としては、すごく大きいこのチカラ。

しかし、実際に、裁判の結果をきめるのは、民間の人たちの意見と、裁判長の決済。


裁判長でもない彼には、その「真相を知っている」という部分を生かす、その道筋がないのです。

とても大きな縛りは、辺見が、

真実を知ることはできるが、その真実を他人に伝えるチカラはない」という点。

彼が真相を知っていても、それを証明する手段はないし、証拠ももちろんない。

彼は、裁判の意見の交換の場で、それを真実だということが「できない」のです。


では、どうするか?


ここで、主人公辺見の戦いが始まります。

客員裁判官たちの意見交換・議論の場。

そこで、議題をリードし、ひそかに裁判官たちの意見を真相、あるいは、

「真相にふさわしい判決結果」に向けて誘導していく、という戦いが行われるのです。


興味ぶかいのは、主人公が、特殊能力をもっているのに、

その能力が目的達成のためにまったくチカラになってくれない(笑)、という点ですね。

能力は、彼に目的を設定してはくれるものの、議題をリードする上では、

ほとんどなんの助けにもなっていません。


議題を解決する力は、彼の話術のみ。


話術だけで、どこまで議題をリードできるのか?

話題の方向性をコントロールするためのテクニック、

ちょっとした指摘から話の争点をずらす技術など、

他の漫画ではなかなか見られないテクニックを駆使した戦いがはじまります。


「真実を知っている」ことの無力さを示すものであますが、

その上での主人公の葛藤も面白い。

客員裁判官たちの議題は、前提からしてまったくおかしい。

しかし、それがおかしいことを伝える方法がない。

その状況で、さて、どうやって真犯人に正当な裁きを与えるべきなのか……?


裁判という場で、人の意見がいかに流されやすいか、という点も興味ぶかく、

そこをコントロールすることの難しさ、展開の面白さ、

そして、そもそも、「真相を知っている」からといって、

議題の方向性を一人の人間がきめていいのか?

それは、裁判員制度という制度にそもそも反していないのか?

このあたりの悩みどころも、話をふくらませています。


主人公が自分の寿命を犠牲にしている、という点から、

絶対バッドエンドしかまってないだろう、ともおもうのですが(笑)

この話をいったいどうまとめるのか、という点でも興味深い。

今後とも注目していきたいマンガです。