コメントへの返信になります。
ちょっと長くなりすぎたので、記事にさせていただきました。
改行いれちゃったけど、ご了承あれ。
元記事はこちら 。
>ストーリーをゲーム中に取り込むデメリットとして
>「コストの問題とありましたが、そんなのはゲーム製作側の勝手な都合なだけであって、
>言ってしまえば手抜きですね。
>
>ストーリーの入っていない作品全てが手抜きだとは言いませんが
>最近のミニゲーム中心の任天堂作品においては手抜きとしか考えようがありません。
さて、どうでしょうかね?
「コストをかけない」ことが、メーカーにしかメリットを及ぼさない、というなら、
これは真でしょう。でも、本当にそうでしょうか?
PS3やXBOX360で「ゲームが作りにくい」といわれ、ゲームソフトが十分に供給されていないのは、
ここを見ているみなさんなら、ご存知の通りでしょう。
この現象の原因として、筆頭にあげられているのは、「開発コストがかかりすぎる」という点です。
「コストがあがる」ことが、そのまま、「ゲームが十分に供給されていない」という現状をもたらしています。
また、当然ながら、コストが高くなれば、それだけ売上も安定されたものが求められるため、
野心的なゲームや創造的なゲームはつくりにくくなります。
コストをさげる」ことのメリットは、「ユーザーに、さまざまなゲームを、十分な数提供する」ことです。
これが、メーカー側の手抜き、とはワタシは思いません。
もちろん、「かけるべきところで、コストを気にして完成度をおとした」ということであれば、
非難されてしかるべきです。
でも、逆にいえば、「ユーザーの満足度が変わらない」という範疇において、
コストは可能な限りカットすべき、という言い方もできるわけです。
「コストがかかっても、それ以上に売れるゲームを作ればいいじゃないか!」という声もありますが、
市場の規模などの問題から、それが難しいタイトルだってたくさんあります。
あるいは、金銭的コストだけではなく、時間的、人的資源的なコストの問題だってあります。
開発のとき、「使えるコストの総量」はある程度きまっているのですから、
その中で「ユーザーの最大の満足度」を得るためには、「無駄金を使うな」というハナシになります。
この意味では、「コストカット」は、「ユーザーの満足度の上昇」につながります。
残り開発予算が200万、あと半月、というところで、それをストーリーを作ることに費やすか、
もう1ステージ増やすか、というとき、ストーリーをカットしてでも
1ステージ増やしたほうがいいタイトル、というのも存在するでしょう?
ここでストーリーをカットするのは、総合的なクオリティを意識した「コストカット」です。
(もちろん、「総予算を増やすためのアクションをとる」というテもありますが)
で、そういう前提を踏まえて、「ストーリーを入れるのが、ユーザーの満足度的にどうなのか?」という
点にふれたのが、このコメントのあった「ストーリーのもつ敷居 」の文意です。
基本的には、ワタシも、ストーリーの比重はプレイヤーにとって
大きいのでカットすべきではない、と考えていたわけですが、
情勢をみてみると、トレーニング系ゲームをやるユーザーにとっては
さほど大きくない、むしろ害になる部分なので、カットしていいものなのかもしれない、という内容です。
こういう話ですが、いかがでしょうか。
まあ、この辺も含めて、「メーカーの勝手な都合」であるのは否定しません。
が、「手抜き」というなら、それは違うだろう、と思います。
コストをかければ、定価があがり、発売日が延期するのが当然です。
そのあたりを解決するための企業努力が、コストカットです。
つーか、ぶっちゃけ、開発現場は、「コストを下げるために血を吐く努力」をしていますよ。
なんとか満足度を下げずにコストを下げる方法はないものか、とね。