RPG、特にネットゲームの装備のシステムは、
意外と厄介な問題をもっていたりします。


「キャラクターを育成していく」タイプのゲームである場合、
装備も、だんだんとよりよいものに代えていく、というのが一般的です。
当然といえば、当然ですよね?
「いい装備を得るためにお金をためる」のも、
キャラを育てる楽しみの一環です。


つまり、装備の間には、基本的には優劣があり、
あとから登場したものの方が強い、という一般則があるわけです。


数値を設定する立場からすれば、
わざわざ買い替えたい」とプレイヤーに思わせるぐらい、
前の装備と比べて強い装備であることが要求されるわけです。


普通のRPGなら、それで問題ありません。

しかし、ネットゲームとしてみた場合、ここに、
もうひとつ困った問題が出てきます。


装備は、バリエーションよく選びたい、選んでほしい、という問題です。


いろんな人が顔をつきあわせるゲームなので、
そういうとき、全員装備が同じだった、というのでは、少々困ります。
見た目的にも、気分的にもよくないでしょう。

外見はバラエティに富んでいたほうが見ていて楽しいですし、
デザインする側も、たくさんデザインしたのですから、
いろいろ使ってくれたほうがうれしいものです。


しかし、そうするためには、それぞれのデザインに
「決定的な強さの差をつけられない」という問題が生じます。


これは、前にあげた条件と、真っ向から矛盾します。


もちろん、この両方の条件をみたすために、
なんとか装備の選択肢を増やそうとしたり、
装備の外見を変更できるようにしたり、と工夫しているメーカーもあるわけですが、
やはり、そううまくいかないように感じています。



……そんななかで、MHP2Gの防具のシステムは、
なかなか面白いなー、と思うわけなんですよ。


1.最初の時点では、各防具は、防御力上限が低め&段階的に設定されている
  →そのため、プレイ中は、装備を買い替えつつ成長していくことになる


2.ひととおりの装備が出揃うあたりで登場するボスを倒すと、
  すべての防具の防御力上限が上昇し、大きな差がないように改造できるようになる


簡単なように見えて、コロンブスの卵っぽいな、これ、と。


モンスターハンターの場合、スキル狙いでの装備の組み合わせもあって、
もともと下位の装備を生かしやすい設計になっているんですが、
このシステムがさらにそれを助けているな、と。


これのおかげで、買い替えによる成長システムを崩さず、
デザインリソースも無駄にせず、最終装備のバリエーションを
ユーザーに提供できているように感じます。


探せば似たようなシステムは他にあるかな? とも思ったんですが、
スキル性ともあわせて、かなり高レベルで上の二条件をみたしてるなー、と
思ったので、ちょっとだけまとめてみました。