最近、「海外で受けるゲーム」というモノについて、
いろいろと勉強せざるをえない状況になっている。


PS3やXBOX360でゲームを作ろうとするなら、
海外市場を意識せざるをえない。
これは、現在のゲーム作りの現場で、
常識として考えられている部分だ。


ゲームの開発費用があがったことと、
次世代機市場が国内で冷え込んでいるために、
国内だけではとうていその費用が
回収しきれなくなっている、という話である。


もちろん、アイドルマスターみたいな例もあるけど、
ああいう手がどんなゲームでも使えるわけじゃないからね。


そんなわけで、ワタシのところでも、いろんなゲームについて、
「どうすれば海外でも受け入れられるか」
「どうしてこのゲームは海外では受けないのか」
というのを考える機会が増えてきた。


……で。


そんな中で、私が、「え?」とクビを傾げる話があった。
モンスターハンター」の話である。


「モンスターハンター」といえば、
PSPでは1,2そろってトップクラスの売上を誇っており、
現在、PSPの最大のキラーソフトという立場を確立している。
市場への影響が特に大きいソフト、という見方もされており、
3がプラットフォームをWiiに移動したことでも騒ぎを読んだ。

そういうゲームだ。


PSPでの、国内売上のベスト5を見てみよう。


1 モンスターハンターポータブル2 1,699,793
2 モンスターハンターポータブル 1,028,189
3 クライシスコア 785,766
4 みんなのゴルフ  623,425
5 メタルギアソリッド:Porable Ops 375,877


MHP2Gも出れば余裕で100万本はいくだろう。
そうすれば、1シリーズで300万本売れる計算になる。

5位のソフトが40万本をわっているのだから、

ソフト売上のかなりの割合をモンスターハンターが占めているのがわかるだろう。

ゲーム市場においても、サードパーティの1シリーズが、

ここまで1ハードを席巻した例は珍しい。
まさに、PSPの屋台骨といってもいいシリーズだ。
いかに、このハードがモンハンに依存しているかがわかるだろう。

もちろん僕も、このゲームはかなり楽しませてもらっている。



このソフトが、意外と、海外で売れていないのである。



いや、もちろん、凡百のソフトに比べれば、十分な数字を出している。
だが、国内では、他ゲームの追随を許さないほどに売れているソフトが、
海外では、そこまでの結果が出せていない。


アメリカでの数字をあげると、
Monster Hunter Freedom  (国内のMHP)  22万
Monster Hunter Freedom 2nd (国内のMHP2) 20万

でしかない。


北米のPSPの市場自体が小さいのか、とも思ったが、探してみれば、
200万本売れたソフトも存在する(GTAだが)。
メタルギアなどは、国内と北米でほぼ同等に売れている。
つまり、モンハンは、
「日本に比べ、海外の売れ行きはかなり小さい」タイプのゲームなのだ。


これは、ワタシにとってはかなり驚きだった。


いや、そういう売上の傾向をもったソフトは、少なからず存在する。
特に、日本でよく売れる「剣戟を主体にしたアクションゲーム」は、
海外ではそこまで振るわない傾向はある。


だが、ワタシの目には、モンハンのもっている各要素は、
すべからく海外ウケしそうな内容にみえていた。
他の剣戟ゲームがダメでも、これならいけるんじゃないか、と
思っていた部分もかなりあった。
それだけに、
「なんで、これが海外ウケしない?」と本気で疑問に思った。




……ちょっと長くなってしまったので、いったん、この辺で切っておく。


実は、この問題については、私もまだ明確な答えを出せていない。
なので、次回からこの話についての、私なりの考察を書いてみたいと思う。


だが、こうしてみてみると、
モンハンがいかに国内市場に依存しているゲームなのかはよくわかると思う。

その点をふまえてみてみると、なるほど、
いまの、海外をベースに考えざるをえないPS3市場に挑むことが
それなりに危うい冒険であったことが伺える。


Wii移籍の話を聞いたときは正直、かなり意外だったが、

PS3に残るにしても相当なリスクがあったのだ。




続きはこちら。


海外を見据えて(2) 海外受けする要因ってなんだろう


海外を見据えて(3) モンハンの仕組み

海外を見据えて(4) 根底にある価値観