予告どおり、「勇者死す」@携帯電話のレビューなど。
●レビュー:勇者死す
だいたいの雰囲気や内容は、公式ページをみてもらうとして。
http://g-mode.jp/title/hero/
基本的な概念は、「時間制限付きRPG」といっていいと思う。
プレイヤーの行動ごとに時間が消化されていき、
ある時刻でゲームオーバーになる。
それまでに、世界をめぐり、イベントをこなしていく。
選択肢やイベントは、だいたいが二律背反。
あちらをたてればこちらがたたず、な風になっており、
限りある時間の中、いったい何をなすべきか、何をしないべきなのか、
そのへんを考えるあたりがゲーム性になっている。
一回のプレイは4,5時間程度なので、
繰り返しやって、よりよい方法を探していく感じ。
「今回のプレイは何をしよう」と考えて、
実行しても、結構慮外の内容が入ってきて、
さて、どうしよう? となる。
つまりは、5日分の行動計画設計&遂行のゲームだ。
プレイヤーの弱体化や、明確なタイムリミットの存在を除けば、
システム的にはジルオールのメインストーリーの扱いに近いかもしれない。
ゲーム性や、攻略要素とRPGを
うまく融合させている、という意味では、
代々の桝田作品と同じく、すばらしい内容になっていると思う。
ゲームルールはかなり特殊で、聞いただけでは、
ちょっと理解しにくいかもしれない。
だが、数回プレイすれば、だいたいはつかめるだろう。
アイテムの使いどころと、弱体化の調整がわかれば、
そうは苦労しないと思う。
慣れてしまえば、相当に面白い調整になっている。
普通のRPGの皮を一応かぶってはいるものの、
中身はまったくベツモノ。
Aボタン連打でクリアできるRPGがイヤなヒトは、
ぜひやってみるべきゲームだろう。
惜しむらくは、イベントの総量と、戦闘のテンポ。
携帯電話というメディアゆえか、イベントの総量がちょっと物足りない。
プレイ時間はともかく、2、3周もすれば、
ラストシナリオを除いたベスト解決ルートへの道筋が
見えてしまう、というのは、
このゲームとしてはちょっともったいない。
500円だし、費用対効果としては申し分ないんだけど。
終わったあとも、「ちょっと食い足りないなあ」という感じだった。
戦闘で膠着状態になってしまったり、
妙に長引いたりしてしまうのもマイナスではある。
特に、アイテム頼りで戦闘に挑んだとき、
「アイテムも使い切った、でも逃げれないHPを回復する手段はヤマほどある」
という状態で、リセットぐらいしか打てる手がないのがなんとも。
やられるのをただ待つだけになっちゃうんだよねえ。
負けてあっさりやりなおせる、
みたいな状況のほうが望ましいと思うんだが、そういう調整は難しいか…。
また、もうちょっとチュートリアルはほしいかもしれない。
まあ、すぐ慣れるとは思うが……。
mixiの方では、携帯ゲーム機への移植がほのめかされているので、
そこにかかる期待は大。
ゲームシステムだけみれば、間違いなく一級品。
それ以外の点で、ちょいとマイナス、といった感じの傑作だ。
……あ、そうそう。
「RPGといえばキャラ育成」とかいうひとには、オススメできない(笑)
主人公は、時間経過で弱くなる一方だし、
他キャラも、あんまりレベルアップはしないからね(笑)
弱くなっていくのを見越して、パーティ編成や装備を考える、という楽しみはあるけども。