「ゲームの世界にポリゴンが登場した時 こう言われました」

「大手以外 手を出せない」

「技術も資金もない中小は淘汰されると」

「それから十数年」

「中小メーカーが一掃されたという話はまだ聞きません」


 大東京トイボックス2巻p89~p90



ちょいとひっかかったので、今日は、この仙水さんのお話につっこんでみます。


もちろん、彼の言葉の主旨は理解できるし、

「悲観的観測を"現実的な観察"としてとらえるな」っていう部分は、

すげえよくわかるんです。


でも、「一掃されていない」という点、ちょっと気になります。

ワタシは、ちょうどPS初期の頃、コンシューマゲームから離れていたんですが、

ゲームを再びやるようになったときには、

「メーカー減ったなあ。上位に集約されてるね」と感じましたし、

「一掃されてない」という言葉には違和感を覚えます。


せっかくなんで、ざっと調べてみましょう。


初代PlayStationの発売が1994年、Nintendo64の発売が1996年、

文中で「十数年」といってますから、まあ、1995年あたりが適当ですかね。

その年の売り上げの集計サイトを見てみました。


http://homepage2.nifty.com/~NOV/top301994.html


各週の売り上げで、ベスト30に入ったメーカーで、

現在、コンシューマゲームの開発をほとんどorまったくしてない企業、

いったいどれだけあるでしょうか?


ざっとリストアップしてみました。


タカラ   
ヒューマン

リバーヒルソフト
ライトスタッフ
データイースト
T&Eソフト
ネオレックス
アスミック
NEW
パック・イン・ビデオ
メサイヤ
アスキー
ビー・ピー・エス
アスク講談社
ビクターエンタテインメント
クエスト
リバーヒルソフト
ソネット
コンパイル
セタ
テクノスジャパン
エポック社
グラムス


この当時は、ワタシ自身、あまりコンシューマゲームをやっていなかった時期なので、

当時のメーカーに関する知識はあんまりありません。

存続の可否はほとんどgoogleでの検索結果によります。


ざっとさがしただけで、23社がゲームの開発を停止していることになります。


……まあ、「技術革新についていけなかった」という理由で消えたのとは

違うメーカーも多いように見えますが、この減少数は相当なモノだと思います。

特に、他に本業を持つメーカーが、片手間に(失礼)作っていたようなところは、

ほぼ全滅したといっていいのではないでしょうか?


そして、2006年の売り上げと比べてみると、ヤハリ差は見られます。

ランキング入りするメーカーが、ほとんど上位のメーカーに集中しています。

これをもって、中小が「一掃されてはいない」というのは、

ちょっとムリがあるんじゃねーか、と思うわけです。

もちろん、そのあと出てきた中小もたくさんありますし、がんばっているところもありますが。

やっぱり、ポリゴンの登場前後で、大きくメーカーの動きは変わってると思うんですよね。

少し前のゲーム会社の連続合併騒動なんかもその辺のからみだと思いますし。


とまあ、ちと細かいところにつっこんでみました。

ずっとゲームをやっていたひとたちの印象を聞いてみたくもあります。