ちと時間があいてしまいましたが、続きです。

以下は若干ながら、ネタバレ含む内容になります。

作品の性質上、作中の謎解き部分には触れないようにしています。

が、やはり、完全にまっさらな状態でプレイしたい人は避けたほうがいいでしょう。

ネタバレ気にする人は、前回のネタバレなし記事 で。


このゲームでは、「推理」が、大きく3つにわかれています。

1.犯行を防ぐための推理

2.起きた犯行のアリバイを崩す推理

3.一連の犯行の真犯人を推理

3は言うまでもないとして、特徴的なのは1と2です。


理由は伏せますが、このゲームでは、毎日の殺人について、

必ず予告が行われます

誰が狙われるのか? 凶器として選ばれるものは何か?

プレイヤーは、その予告から、犯人の行動を読み、

それに対応した行動をとることで、犯行を防ぐことができるのです。

犯行を防止できた場合は、

続く日以降も被害者から情報を集められるようになります。

犯人の完全解明にたどり着くには、

被害者(になるはずだったひと)たちからさらに情報をあつめなければならないので、

これは非常に大きなメリットになります。


防げなかった場合は、犯人を告発するときに、

すべての犯行のアリバイを崩す必要が出てきます。

容疑者の証言をつきあわせ、ウソをあばき、

犯行が出来たことを証明しなければなりません。

このシステム自体は非常にすぐれていると思います。

デザインとしては画期的ですし、非常に面白いです。


あえて難点をあげるなら、

「アリバイを崩す」のは結構面倒で、難しいワリに、

「犯行を防ぐ」ことが簡単すぎる点でしょうか。

普通にやっていて、犯行が防ぎにくいのは1,2人。


あとは普通にプレイしていて防げてしまうのです。

結果として、私は2の推理をほとんどやらないまま

ベストエンドまでたどりついてしまいました。

つまり、ゲームとして用意した「問題」のうち、

半分ぐらいは解かないまま、クリアをしてしまった、ということになります。

これは非常にもったいない。

普通に考えれば、犯行の阻止をある程度難しくし、

第一の試練としてそれをプレイヤーに解かせ、

その後、ベストエンドを迎えるために、ヒントを集めながら真犯人を追い詰めていく……

という設計がベストにように思えます。


ですが、実際にやってみると、真犯人が誰かわかる前に、

犯行がすべて阻止できるようになってしまうのです。


結果として、「アリバイ 崩し」は、ほとんどやらないまま終わってしまいました。


このあたりの難易度設計は、若干難ありかな、と思います。

「アリバイ崩し」が、「犯行を防げなかった」場合のペナルティにしかなっていない。

前回の記事で「もったいない」といったのはこのあたりのことです。

ゲームの構造をもうちょっと整理して、難易度をうまく調整できれば、

もう少し遊べるように出来たんじゃないかな? と。

とはいえ、そのあたりは些細な点です。

むしろ、「面白かったからこそ気になった」部分といってもいいでしょう。

「アドベンチャー」という固い枠が出来上がってるジャンルで、

新しい試みに挑んだ、という点で、高く評価できるゲームだと思います。

上であげたとおり、若干惜しい部分はありますが、

かなりいい内容といっていいと思います。


少なくとも、謎解き/推理アドベンチャー好きなら、迷わず「買い」のソフトじゃないでしょうか?