におけるコメントへの返信になります。
ちとナガイ&くどいので、別文書にしました。
コメントの文章を勝手に整理しますと、要するに、
「ドラキュラやモンハン、
PSOでやっているようなアクション重視のボス戦がゼルダにないのはなぜか」
「任天堂がそういうゲーム作りを避けるのはなぜか」
という内容になりますね。
ワタシ的に答えをまとめると、
1.本質的にゼルダが「そういうゲームではない」から
2.そういうゲーム性の変更を望まない傾向が市場に強いから
3.アクションの手ごたえを求めるユーザー層がかなり限定されたもので、
万人に向けて出すゲームとしてふさわしくないから
といった感じでしょうか。
ドラキュラとゼルダでは、そもそも、ゲームの中で「楽しむべきポイント」が違います。
ドラキュラでは、「上手くキャラをあやつり、強い敵を倒す」ことが目的になります。
ゼルダの場合、「どうやれば、この敵を倒せるのか」を探すことが目的になります。
ゼルダの伝説の「ゲーム性」は、いわば、
ゲーム製作者が用意したクイズを解くようなものです。
この場合、クイズが解けたときの「ああ、なるほど!」という感覚を、
いかに気持ちよく味あわせるか、がコンセプトになっているといっていいでしょう。
料理でいえば、ここがメインディッシュです。
いかにここを上手く食べさせるか、が、ゲーム作りのキモになります。
そのコンセプトからすれば、ボス戦をデッドリーなものにするのは、
真っ向から反しているといっていいでしょう。
「ボス敵が強い」ことは、状況を観察し、謎解きをすることの邪魔になります。
実際、ボス敵のまわりにハートが出るツボが
おいてあったりするようなことからわかるとおり、
そもそも「ゲームオーバーにならないほうが望ましい」のです。
操作系をみても、両者の差は一目瞭然です。
ゼルダの操作系は、基本的に、
「大雑把な操作で、格好よいアクションができる」ように作られています。
上手い人が使っても、下手な人が使っても、それなりに格好よく、
それなりに強い動きが出来ます。
どのレベルの人がプレイしても、(無駄な動きは増えるでしょうが)
リンクの動きに目立った差はでてきません。
この操作系で、精密な操作や、複雑なアクションをやらせようというのも、
かなり不向きです。
つまりは、難しいアクション性の導入は、
「コンセプトに合致せず」「コンセプトを高めるものでもない」わけです。
かなり厳しい選択肢といっていいでしょう。
ゼルダの謎解きの「コツ」をしらない人間にとっては、ヘタをすると
あまりにハードルが高く、複雑すぎる状態になってしまいかねません。
一方で、アクションに気をとられ、今までの謎解きもさらに難易度が上昇します。
その上で得られるのは、ゲームの複雑化、高難度化ですが……
ゲームが、単純な複雑化をした結果については、
シューティングや格ゲーの末路を見れば明らかだと思います。
まとめると、
●コンセプトに合致してない
●ゲームの操作系的に向いていない
●ハードルを無闇にあげてしまう可能性が高い
ということになります。
以上から、アクション性の強化は、
ゲームの面白さを強化するものとしては不適切、ということがいえると思います。
もちろん、コンセプトから作り変えてしまえば、そういう選択肢もありなのでしょうが、
(ゴルさんがあげているタイトルは、違うコンセプトで成功した例ですね)
すでに独自のコンセプトを掲げているシリーズが、
なぜそれを変えなければならないのか、という問題があげられます。
今回の「トワイライトプリンセス」が、
「風のタクト」をみての原点回帰を望む声から完成に至った、という経緯を見れば、
そこを変える方向にすすまなかったのは当然といえると思います。
続編を望む声に対して作ったのだから、そういう形にした。
続編で大きく姿を変えた「ファイナルファンタジー」シリーズが、
概して旧作シリーズファンからバッシングを受けていることからも、
現在の日本市場は、シリーズものの変貌に対して保守的です。
結果として、それがワタシが以前にあげた感想のような、
ゼルダシリーズの停滞感などを示した可能性は高いので、
良し悪しではあったと思いますが、
アクション面でのゲーム性強化が成功につながったか、と言われると、
前項までの内容でクビをひねらざるをえません。
最後に、任天堂がそういうゲーム作りを避ける理由は、
もう、これは、時代の流れというしかないでしょうね。
要するに、そういう路線自体が、任天堂がやろうとしていることからも、
市場の需要規模からみても、中心から外れてしまったということなのでしょう。
ドラキュラも、固定ユーザー以外への普及は停滞しています。
ある程度のハードルを掲げても大丈夫なネットゲームとも違います。
この状態では、ゲームオーバーを前提にしたデザインは、
あまり歓迎されないでしょう。
海外向けなら、任天堂製でも結構あるとも思うし、
私個人は、「そういうゲームもあるべきだ」とも思いますが、
それをゼルダでやる、というのは無理というものではないでしょうかね。
まあ、DSのメインプラットフォーム化で、
そういうゲームも作りやすくなり、
もうちょっと増えるんじゃないかな、とは思っています。
ただ、任天堂などはやっぱりやりにくいでしょうねえ、と。
……と、こんなもんでしょうかね。
まあ、例にあげている橋のバトルにしても、
ワタシは、2,3回やられたところで
「もういいから、次にすすませてくれんかな」と思いました。
ゼルダはそういうゲームじゃないし、
そっちに発展しても、面白くないゲームじゃないかなあ、と。