ゲーム系サイトの記事をよく見ると、よく、

PS3やWiiの開発費用について問題にしている文章を見る。

んで、そういう記事では、たいてい、

Wiiが、PS3より圧倒的に安くつくれるように書いていたりするのだ。


この辺読むと、「わかってるのかなあ?」と思ってしまう。




ゲーム作りにかかるお金は、だいたい下記のように分類される。


1.人件費

2.機材/マスタリング代

3.広告費


まあ、「開発費用」の話だから、「3.広告費」は厳密には違う。除いていいだろう。

そうすると、1と2だ。


ゲーム開発にかかる人件費は、

おおよそ、「規模」×「開発期間」と「CGレベル」に依存すると考えてもらっていい。

長い期間かけて作れば当然高くつくし、

CGが高度になれば、作成に時間がかかり、バカ高くなる。


「2.機材/マスタリング代」の点の差は、はっきりいって、

人件費の額にくらべれば微々たるものだから、気にしなくっていい。

ともあれ、現状言われている「ゲーム開発費の高騰」は、

そのほとんどがビジュアル面の価格と、ゲーム規模によるものだ、ということだ。


要するに、昨今の開発費の高騰は、

・ゲームの複雑化

・ビジュアル面の強化

が原因ということになる。


だから、たとえば、「同じ内容のゲーム」をPS3とWiiで作ったとすれば、

必要な費用には大きな差はでない。


例えば、ゼルダの伝説は、規模にしろ、ビジュアル面にしろ、超一級品の作品だ。

このゲームの開発費が、過去のゲームに比べて安い、なんてことはありえない。

もちろん、WiiではPS3並のグラフィックはだせないから、

両者を比べれば、Wiiの方が安くはなるだろう。

でも、それだけだったら、「Wiiの開発費が安い」とはとてもいえない。


なぜって、ビジュアル面での表現のレベルは、ハードの性能に依存するから、

おおまかにいってPS2<GC<Wii<PS3だ。

つまり、Wiiでのゲーム開発は、普通にやったら、

「PS3よりはかからないが、PS2よりはかかる」ということになる。

PS2ですら「開発費の高騰」は問題視されていた。

それより高くなっているのに、「開発費が安い」ってことにはなるまいよ?



……で。


もちろん、上の文章は、「ハナシはそう単純じゃねーぞ?」ということであって、

「Wiiの掲げている内容がウソばっかりだ」などというわけじゃあない。

実際に、Wiiは、開発費を抑える工夫があるのだ。

その辺を理解せずに、「Wiiは開発費が安いから」などと考えてるのは、

ちょっとばかしおかしいんじゃないかなあ、と思う次第。



今日は、あえて、「開発費を抑える工夫」というのが何なのかには

触れずに筆をおいてみることにする。

ここ数年の任天堂の動きをみてきたひとなら、

どういうことなのかは想像できるんじゃないかな?