FF12のプレイ感想の中に、
「攻撃を受けたとき、ついガードボタンを探してしまう」という声があった。
なるほど、ごもっともな話で、FF12の通常シーンは、
いままでの3Dアクションゲームと操作も視点もよく似ていて、
いままでのFFにくらべると、ぐっとそちらよりになっている。
敵との戦闘がはじまるまでの操作系は、
アクションゲームに近くなっているといえるだろう。
一方で、戦闘がはじまったら
アクションゲームに近い戦闘になるRPGも増えてきている。
このシステムとFF12のフィールド、これを、両方組み合わせると、
アクションゲームと区別がつかないのではないだろうか。
FF12のフィールドと、テイルズの戦闘シーンを組み合わせたら、
いわゆる3Dアクションゲームとどこが違ってくるだろう?
近年のRPGは、ぐっとアクションゲームに近くなった。
また、アクションゲームの側では、逆の傾向が顕著だ。
ここ数年のアクションゲームの傾向を観察すると、
難易度の低下により、「プレイヤーが死ぬこと」がほぼなくなり、
そのかわりにプレイヤーのモチベーションを高めるために
成長という概念に力をいれ、
また、ストーリー面にも力をいれはじめている。
アクションゲームが、どんどんRPGよりになっている、といっていいだろう。
つまり、3D-RPGと3D-アクションは、ジャンルとして、融合しつつあるのだ。
それが悪い、というわけではないが、ゲームデザインをする立場として、
これを知っておかないと、おもわぬ落とし穴にはまることがある。
ゲームのデザイン中、判断に悩んだとき、
「これはRPGだから……」とか、「これはアクションだから……」
だとか考えて決定することは、比較的ある。
だが、いまとなっては、この2つは、
ほぼ同じジャンルであるということを意識しなければならない。
もはや、同じ尺度で比較される、ということを考えないといけないのだ。
選択肢がひろがった、ともいえるし、
画一的なものがつくられやすくなった、ともいえる。
デザイン上では、どっちの道をえらぶべきなのか。
他方のジャンルとくらべて、見劣りしないのか。
そのへんを考えていかなければならない。
まあ、アクションRPGなんてのは、昔からあったわけだけど、
各ジャンルの「主流」ともいえる作品が、
これほど接近したのははじめてであろう、ということで。