昨年の暮れになりますが、
ゲームセンターにいっていくつかゲームをやってきました。
基本的に、私は経済的な事情と個人的な嗜好から、
ゲームセンターにいかない学生時代をすごしていたので、
まともに行くのはホント数年ぶり。
まあ、行く気になったのは、
あちらの事情がかなり変わっている、
と耳にしたからで、要するに、
市場調査が目的です。
とりあえず、ウワサのクイズマジックアカデミーと、
麻雀格闘倶楽部をやってきました。
……どちらも、面白さだけとれば、
相当なものといわざるをえませんね、これは。
いやはや、さすが人気作。
とりあえず、払った額さえ考えなければ、
ゲームをやっている間は時間を忘れて楽しめたし、
またやりにこようかな? と思える内容だったのは確かです。
でも、これは、時間あたりの金の効率の悪さもまた、
すさまじいばかりですねえ……。
とにかく、
「コアなユーザーに、いかにお金を出させるか」
という点の工夫が非常にウマイ。
時間とお金のあるところからしっかり回収しよう、
というカタチですね。
別料金のカードの導入によって、
敷居は明らかに高くなっているのに、
その分、アクティブプレイヤーからの集金力を
非常に高めてあるカタチです。
今の、コンシューマタイトルは、
「ゲームが売れない」問題への対策として、
ゲームの間口を広げる方法を選んでいます。
任天堂でDSが新しい層を
開拓しようとしているのもそうですし、
ゲームの内容がどんどん
ライト向けになっているのもその一環です。
コンシューマでは、「入り口を広げる」のが、
この問題の基本的な対策になっています。
それなのに、アーケードでは、
「敷居を高くする」ことによって、
この問題に対策しようとしているのです。
この対照的な状態は、非常に興味深い点でしょう。
「入り口を広げる」場合は、
どんなに注意深く作っても、旧作ファンからは
非難の声が飛ぶものです。
新しいターゲットに向けた表現や追加は、
えてして旧作のファンにはなかなか
受け入れられないのです。
同じシリーズもので、傾向が変わった作品が出たとき、
そういう状態になった経験、ありませんか?
よほどの完成度であっても、「こんなのはXXじゃない」とか、
そういう声、でませんでしたか?
つまり、結果としてそれは、旧作ファンの満足度を
下げる結果になっているのです。(*1)
一方で、上にあげたような、アーケードのゲームは、
そういう問題の影響はあまり受けません。
新しい層を無理に開拓する必要は、ないのです。
開拓は、また次のゲームにまかせればいいのですから。
狙った層の声に確実に応えるゲームを作ることができます。
これは、ユーザーの満足度を高める、という意味では、
非常に高い成果を期待できるといっていいでしょう。
かくして、「あえて金銭面に目をつぶれば」、
そういう作り方の方が、高い満足度、
高い完成度を得やすい、という事実がうかびあがってきます。
今現在のコンシューマ市場では
なかなかできないことを、
やってのけている、といっていいでしょう。
非常に興味ぶかいことをやっている、と感じました。
時間に余裕のあるうちに、もう何度か通ってみるつもりですが、
はたして、こういった特徴をコンシューマゲームの作成に
いかせないものか、ちょっと考えてみる価値は
ありそうだと思えました。
(*1)待望の復活だったのにも関わらず、
ファイアーエムブレムGBA版が、旧作ファンに
さほど歓迎されていないのも、
この辺の事情が絡んでいると私は推測しています。