Mr & Mrs スミス」を鑑賞。
テンポのよさとスピード感で、展開に引き込み、
あとは主演俳優の魅力で〆る、といった感じ。


眼が覚めるような表現とか、
やられた! と思う部分とかはまったくなかったけど、
気軽に見て楽しむ分には文句なし。
肩肘はらずに楽しめた。


ついでに、考えさせられたのは、映画とゲームの表現力の差。


「スミス」に限らず、映画では「嘘」を
非常にうまく使うことができる。


特に「視聴者に嘘とわからせたい」というシーンは、
ゲームに比べ、多彩な見せ方ができる。
これは、映画の方が、
例えば表情、例えば雰囲気といったあたりに
含みをもたせることができるからだ。


映画の持つ「絵」の表現力は、
ゲームのそれにくらべ、表現の幅が広い。
画面の力が、それだけ強いってことだ。


ゲームの場合は、
画面の力にくらべ、テキストの力が強すぎる。


これは、テキスト(音声)ほど画面を
自由に見せることができないからであり、
現在の技術では、
シーンをそこまで作りきれないからだ。

今のゲームにおいて、テキストは、

画面以上に人の目をひくし、

そこは、テキストワークだけでは

十分には表現できないところだ。


「人間の感情・態度を表現する」という面において、
ゲームの持つ映像表現能力は、明らかに劣る。

(だから、ベタな表現とか、それに頼らざるをえないわけだ)


もちろん、ゲームに映画並の表現力が必要、と
いうわけじゃない。
だけど、もしその方向で他分野との競争力を意識するなら、
まだまだそっちの力は足りないとは言える。

その意味で、PS3や360のアプローチも、間違ってはいないんだよなあ。


……まあ、次世代機でも、やっぱり足りないだろうから、
別の方向からのアプローチを模索するのが
正着だとは思うんだけど。


こういうのを見ていると、
作り手が、そこにこだわろうとするのも、わかる気はするのだ。

やはり、ゲームの画面の表現力は、まだまだ足りない。