今のゲーム業界を見ていると、
今後、ゲームの作り方は、より二極化がすすむだろう、と思われる。
コストをごっそりかけて、「売れる」ゲームを作る流れと、
なるべく低コストでゲームを作る流れだ。
前者はもちろんPS3やXbox360、
後者はNDSやレボリューションなどが
その役をつとめることになるのだろう。
もちろん、ゲーム全体の売り上げが落ちている今、
前者の場合だって、「いかに安く作るか」は
ひとつの大きなポイントになってくるだろう。
そうなったとき、業界内の人間としては、やはり、
幅広い知識を求められることになる。
ここまで、ゲーム業界は前者の流れが主流だった。
だから、1つのタイトルに関わる人間は増え続け、
それによって開発内容も専門化がすすんだ。
それによって、ゲームのさまざまな局面が洗練されてきたのだから、
これを一概に否定することはできない。
たとえば、SFCのゲームなどを今取り出してみれば、
核となる面白さはともかく、
たとえばインターフェイスや演出、効果などは、
どうやっても劣るだろう。
過去にやったこと/みたことがあるゲームならともかく、
そうでないゲームは、慣れるまでにかなりの時間がかかるだろう。
今後、増えてきた人員は整理され、
少ない開発で、多くの部分を見なければならなくなる。
これは、おそらく間違いのない予測だろう。
それは、しかたのないことだ。
そうやって、人員を減らされたとき、
いかに品質を落さないようにするか、が大事になってくるのである。
私は、過去に何度か、NDSのゲームを
「インターフェイスがなっていない」と評したことがある(*1)。
このあたりも、そういう事情に起因すると考えられる。
モチロン推測にすぎないが、開発に携わる人員が減ったため、
インターフェイスに定見のある人材が
スタッフにいなかったのではないかな、と私は考えている。
もちろん、それらはSFCレベルの話は越えているのだろうが、
「人員が減ったことがそのままレベルダウンにつながる」
ようではやはり困る。
せめて、レベルの維持ぐらいは勤められるようにしたい。
そんなわけで、一プログラマであるところの私も、
レイアウトやら演出やらシナリオの勉強を始めたわけである。
いい意味でも、悪い意味でも、ゲーム業界にはまだまだ
「自分の専門分野しか見ない/見れない」人が多い。
ゲーム全体のディレクションをする立場になくとも、
より広い分野に知識をもつ人材が必要になってくるだろう。
……そんなことを考えつつ、演出の問題 を考えてみたり。
むう。なかなか難しい。
いろいろと、頭には浮かぶんだが、
絵コンテって、まったくなじみのない分野だけに、
書いたこともないからまとめづらい……。
(*1)この場合、新ハードの特性にあわせた
インターフェイス設計ができていない、と言い換えてもいい。
私がいままでやったセカンドパーティ性ソフトは
ほとんどがそうだった。