「ワンダと巨像」の初週売り上げは
14万本ほどだとか。
長めに売れる作品だし、
年末商戦を控えていることを考えれば
20万ぐらいまでは見積もってもいいだろう。
数字だけみれば悪くない値だが、
出来と比べるとやや苦しい。
まあ、「ワンダ」の場合は、
・海外での売り上げが期待できる
・表現したい部分をしぼっているので、
見かけよりコストがかかっていない
という特徴もあるので、さほど心配することも
ないのかもしれないけど、
もうちょっといってもいいのになあ、と思う。
売り上げに影響したのは、やはり、
知名度とアピール力の不足であろう。
売り上げ本数の事情に言及すると、
ワンダの「絵」は、
また違った側面を見せはじめる。
実際に画面を見れば、その素晴らしさは
ズバ抜けたものではあるが、
あれらの絵は誌上では、あまり映えないのだ。
白と黒を効かせた画面は、
カラフルな誌面ではどうしても目立たず、
「読み飛ばされる」タイトルに
なってしまっている。
日本のゲーム雑誌の構成では、
あの絵は、実は目立てない。
ファミ通などもかなり力をいれた
特集をしているのだが、
いかんせんアピール力にはとぼしい。
ちなみに、海外にいくと、
これもまた事情が違ってくる。
海外のゲーム誌は、
日本に比べてゲーム画面を
ドンと大きく載せることが多いので、
ワンダの画面の美しさがダイレクトに伝わり、
日本ほど不利をこうむることはない。
また、かなりの人気タイトルでもあるので、
ゲーム誌でも表紙に取り上げられていたりと、
アピール力が足りない、ということはない。
商品の絵面をあまり前面に出さないのは、
CMを初め、日本の商品展開の基本でもあるのだが、
ワンダにとっては、これはとにかく不利な条件だ。
これだけのタイトルをこういう扱いにしてしまうのは、
非常にもったいないと思うのだが……。
このあたり、日本のゲーム誌をもっと責めても
いいと思うのだけどね。