日本では、結婚する前に、両家顔合わせ食事会がありますよね。
台湾では、それを「提親」という儀式に合わせて行っています。
昔の「提親」というのは、男性、男性の両親、「媒人(仲人)」と一緒に気になる女性の家に行って、その両親に「娘さんを嫁にきてください」という要望を提出することです。
そして、「媒人(仲人)」はセールスのように女性の両親に「この家はとてもいいですよ」「ここの息子さんは立派な男性ですよ」っておすすめしてくれます。
現代の台湾では、基本的には結婚が決まってから「提親」をするので、男性側が朝に女性側の家に行って、リビングで結婚について話し合ってから、昼間にレストランで食事をする流れです。
この食事会は、男性側がお客として、女性側におごらせます。
そしてね。
旦那は義実家で最初に結婚した人なので、義実家は提親の日に普通にうちの両親と楽しく会話を弾ませていたので、特にそちらはシャイとか思っていませんでしたが.......
義妹の婚約者が提親をしに来た日に、本当にびっくりしました。
旦那を含んで日ごろに外向的な義実家の人たちは、なんと!男性側のご家族と挨拶してから、まったく喋らなくなりました。
そして、男性側も挨拶してから、会話を媒人さんに任せました。(注:現代の提親は媒人がいりませんが、司会として存在する意味があるので、男性側は外向的な女性を「媒人」として連れてきますね)
媒人さんは必死に頑張っていましたが、なぜか彼女が沈黙すると、すぐにシーンとして、すごく気まずかったのです。
「嫁としてこういう場合に喋るべきではない。人は気の強い嫁だねって、あなたのことをなめるよ」って実家の両親に教育されて我慢していましたが、やっぱり、無理です。
客を接待する責任をしっかり果たさないほうが、なめられるよ!と思いますね。
だから、媒人さんも諦めた時に、やや大げさなしぐさで、みんなのカップを覗きました。
そして、「どうしたの?」ってみんなの視線を引き寄せてから、「お邪魔してすみませんが、実はお茶のおかわりをしたいからここで待機していますが、なかなか出番がないので寂しいです。協力してくれる方がいらっしゃるんですか?
」という冗談を言ってみました。
それを聞いて両方ともに爆笑して、「ごめんごめん!」って言いながら、お茶を飲み切って「お茶のおかわりをお願いしますね」って協力してくれました。
「ごめんね。うちの嫁が冗談好きだからですね。」って義両親もようやく喋り始めました。
その後、雰囲気が和らいで、会話も自然と弾ませました。
そして、何を話せばいいかわからない度に、「ごめんごめん、またお茶を忘れてしまいました」って言いながら、お茶を飲み切って私に「お茶のおかわりをお願いしますね」って笑顔で伝えて、私も「あっ!うれしいです!ありがとうございます!」という大げさなしぐさでお茶を出します。
後で旦那に聞いてみると、義実家は日ごろには外向的だけど、重要な場面になるとシャイになってうまく喋れないそうです。
「だから、次にこういう場面があれば、Sineadにお願い。」って言ってくれたので、安心しました。
そして、「私は偉いよね」って自慢するつもりで、実家の両親に教えましたが.......
怒られました。
「重要な場面では、嫁が勝手に喋ってはいけない。」
「みんな、絶対に裏でSineadは失礼だなって笑っているよ。」
って、散々怒られました。
そういうのは、両親の経験談らしいです。
私も、父方の親戚が裏で嫁の悪口を言っているシーンを何度も見かけたことがあるので、両親の反応がわからなくもないのですが.......
もっといい表現法があるかどうか考えてみますが、反省はいたしません。
でも、「絶対に嫁に行きたくない家族ランキング」があれば、父方の親族は断トツの一番だと思います。