今は法律が整えているので難しくなったけど、台湾では一夫多妻というのは、完全に消えていないと思います。
昔の華人世界では、一人目の妻を「妻」や「大老婆」といい、二人目以降の妻を「妾」や「小老婆」と言います。
台湾語なら、一人目の妻→「大某」、二人目以降の妻→「細姨」ですね。
西洋化してから、法律では一人目の妻しか認めていますが、王永慶、張栄發など20年代くらいに誕生した大企業の創立者たちが、ほとんど一夫多妻制です。
そして、一人目の妻とその子供を「大房」、二人目の妻とその子供を「二房」、三人目の妻とその子供を「三房」の感じで呼んでいます。
本当は「大房」が夫さんとほかの妻を訴える権利を持っていますが、それでも、みんなと仲良くしているのは、それを無視することができるほどの膨大な利益があるからだと思います。
でも、「大房」、「二房」などの呼び方は、妻たち限定ではありません。
今日から清明節の連休で、夫と一緒に義実家の地元に戻ってお墓参りに行く在台日本人なら、「大房の子孫たち」、「二房の子孫たち」のような言葉が耳にすることが多いかもしれませんね。
実は、その「大房」というのは最初の先祖が長男、「二房」なら次男という意味です。
ちなみに、昔のことだけど、知り合いの中には義実家、夫、二人目の妻と一緒に暮らしていた女性がいます。
優しくて気が弱い女性なので、モラハラを受けても我慢していましたが、ある日、裕福な夫がトラブルが起こって、資産を弁償などで失いたくないので、優しくて気が弱い妻に「資産をあなたに渡して、偽装離婚をしよう」と提案しました。
いつも夫の指示をおとなしく聞いている女性が、もちろんOKと言いました。
そして、いつも優しくて気が弱い妻はちゃんと資産を保管してくれるから、きっと大丈夫だと思っている夫が、二人目の妻を連れて一緒に逃げました。
そして、トラブルが一段落してから、やっと帰ってきた夫が......
いつも優しくて気が弱い妻は「もう離婚したから、探さないでください」という感じで、子供と財産を連れて逃げたことに気づきました。
グッドジョブ!!!
それ以来、その家族のメンバーに会ったことがありませんから、一体どうなったかわかりませんが、その奥さんが子供たちと幸せに暮らせますように。