愛ちゃんの事件については、台湾は野次馬モードだと言えますが、今日はそれ以上危ない報道がありました。
この前からずっと拝見していたある在台日本人女性は愛ちゃんについての感想をアメブロにアップしました。
台北以外の台湾についてマイナス的に語ったので、中部出身、南部在住の台湾人としてはもちろん不快でしたが、よく考えてみたらその記事は間違っていないので、逆に中南部を外国人でも気軽に来られるように改善できるきっかけになるいい記事だと思います。
でもね。
台湾の記者に見られてしまいましたね。
今日は「台北と台北以外」、「高雄が怖い」、「台湾語が飛び交っていて」、「台北以外はローカルの世界」という台湾の南北戦争を煽るキーワードをわざと強調する報道が出ました。
今の報道は悪意のない真意を伝えるバージョンになりましたが、最初の報道は危うく炎上するところでした。
台湾人としては、本当にその女性にはもうしわけございません。
だから、今日は台湾では危ない「南北戦争」を説明しようと思います。
この「南北戦争」は通称「戦南北(ザン・ナン・ベー)」で、「北」は皆さんが馴染んでいる台北(新北は含まれているかどうか曖昧)で、「南」は主に中南部だけど、たまには台北以外の県市が全員参戦。
この「戦南北」はネタとして冗談する台湾人が普通ですが、複雑なコンプレックスも隠れているので、正直避けたい話題だと思います。
台湾人は長年にわたって、中国語を話した方が知的、台湾語を話した方がダサいという社会雰囲気に浴びていました。(中国語より台湾華語で言うのが正しいですが、ここでは戦後の環境など歴史要素もあるので、とりあえず中国語を使います)
ドラマでも、主役、いい人は中国語、悪役や知識のないキャラが台湾語を使う傾向があります。
長年にわたって、台湾語ネイティブローレベルのイメージが強かったです。
そして、マスコミも台北の価値観、台北の台湾しか語らなかったので、台湾人はみんな台北の方が高級的だと思いました。
でも、私の高校時代(15年前)からでしょう?
台湾語が話せる人こそ友達がつくりやすいブームが始まりました。
「ダサくても平気!逆にこのダサさが好き!」とか、中部の高校から南部の大学へ行っても、このブームが消えませんでした。
なぜか初対面の人でもお互いに「台湾語が話せる」と確認すると、即座に友達。
そして気付きました。
台湾語が話せないのはほとんど台北人。
でも、その時の台北人たちはみんな開放的な姿勢で中南部のことを聞いてくれたり、台湾語を勉強してくれたりしたので、戦争にはまだ至っていません。
そのブームに合わせて、「本土意識(台湾自身の文化を大事にする意識)」が高まりました。(昔の政党が中国を侵略された本拠地として視て、高校までの教科書は、中国の歴史と地理ばかりで、台湾自身のことがあまり言いませんでした)
「あ~私たちの地元もいいじゃん?」
「私たちは台北人とは平等!」
「台湾語も自慢すべきな言葉!」
そして、リバウンドかなぁ?
「マスコミが言ってる日常は私たちの日常ではなく、台北の日常。」
「海外が言ってる台湾は私たちが知っている台湾ではなく、台北の台湾。」
「どうして、台湾語さえ話せない台北人は、台湾の代表になったですか?」
さらに、台中、高雄などは台北より何十年遅く建設されたので、新しいビル、きれいで広い施設がたくさんありますが、長年にわたってマスコミから「台北の方が先進」と洗脳されて、実際に台北に行ったら、古いビルでがっかりした中南部人は少なくありません。
「えっ?!地元の方がいいじゃん?」
それでも、マスコミや海外は台北の台湾を語っています。
まるで、私たちほかの県民は存在しないようです。
ちなみに、たまには台北人や在台外国人が南部へ行った時の経験を話したけど、よく聞いてみたら、ごめんね、行ったのは中部です。
その台北の南はすべて南部という言い方は中部人にとっては悲しいです。
でも、外国人も周りの台湾人に従って言っているでしょ?その周りの台湾人って、台北人ですよね?
長年にわたって抱いた劣等感が怒りになって、本格の「戦南北」が始まりました。
日常では冗談や皮肉程度ですが、ネットは半端ではありませんよ。
特にビジネス場合が要注意だと思います。
じゃあ、個人的な意見は何でしょうか?
私は台北人も台北も嫌いではありません。
台北は台湾をアピールする先輩です。
台北がないなら、台湾をアピールしても見てくれる外国人が今よりはるかに少ないと思います。
さらに、ここまでたくさん書いたのに、東部をまったく言い及びませんでしたね。
だから、台北人の気持ちはわかっています。
でも、理性が切れて「戦南北」を参戦する時は.........あります。