洋画
1位『ゼロ・グラヴィティ』
「この映画が生まれた時代に生まれてよかった。」と思えるような映画に一体人生において何本出会えるというのか。長年に渡り映画に関わり、命をかけてきた人間たちが求め続けたであろう映画のひとつの究極の形こそが、おそらくこれ。映画館という名の子宮で呼吸を求めていた観客が、主人公とともに再び生まれゆくあの瞬間のための至福の90分。
2位『TED/テッド』
喋って暴れて大麻を吸う。おっさんテディベアの魅力に取りつかれたらもう最後。いつまでも大人に成りきれない情けない男の成長物語としても友情物語としても非常にポイントを抑えた一級のエンタテイメントに唸る。ちょっと悪役の演出だけがやりすぎて惜しい
3位『ジャンゴ/繋がれざる者』
タランティーノの暴力性、風刺性、変態性が遂に究極の域に達した。彼が最も敬愛する『続・夕陽のガンマン』にも決して劣らない本作が醸し出す男のロマンと生き様に興奮し、西部劇はまだ死んでないことの喜びを高らかに叫ぶ
4位『クロニクル』
そこにいるのが無名の俳優ばかりであっても、ありきたりな題材であっても、面白い映画はちゃんと撮れる。映画の見本と言える野心と映画愛に溢れた一本。クライマックスの主人公のキャリーさながらの暴走と、苦渋の決断に漢泣き。
5位『トゥ・ザ・ワンダー』
そこに確かにあったはずなのに、あったと思って信じていたのに。いつの間に消えてしまったのか、いやそれとも最初から存在さえしていなかったのか。どれだけ問うても答えが見つからない「愛」なるものを巨匠一流の映像マジックで綴る永遠なる寓話。もはや映画の枠を超えた役者の使い方と語り口には神々しさが漂う
6位『ワイルドスピード/EURO MISSION』
しばらく見ない間にチンピラの大暴れ劇からまるで『ミッション:インポッシブル』シリーズと見紛うバリバリのチームプレイ満載のアクションへと昇華していた嬉しい驚き。本筋とはかなり離れてしまった感はあれどもこの路線でいくならこれからも応援したい
7位『アイアンマン3』
ヒーローとしてのアイデンティティを取り戻す男の物語はカッコよく壮大。新スーツの機能も伏線として回収する怒涛のクライマックスまで「らしさ」を忘れないのが嬉しい。
8位『キャビン』
ホラー映画にケリをつけてしまう強引かつ大胆な解釈にワクワク。ハネケ映画のような嫌らしさがやや鼻につくも単なる若者向けスプラッターには終わらない
9位『パッション』
エロさはあまりない、ストーリーも陳腐?いやちょっとまてこの映画の本領発揮は中盤から。デパルマおなじみの分割場面からの流れるような悪夢にただただ浸る。鑑賞後も夢と現実の狭間に彷徨うかのような余韻が心地よい。
10位『イノセント・ガーデン』
エロい。直接的なエロよりも、二人の人間が連弾する場面や、視線が交わうエロスにぞっとする。そして気付いたらその美しさに飲みこまれている自分に気付く。
次点『キャプテン・フィリップス』
家族の確執といった余計な要素を排除し、事件に関わった当事者を徹底的に見つめたのが吉。ややステレオタイプな描写もあれど、海賊たちと船長が時折見せる会話に味わいと安らぎを得る。実話ドラマなのに演出が『ジェイソン・ボーン』風、なのに主役が年とった『フォレストガンプ』でしかないのがちとおかしくてまじめな場面なのに笑ってしまった、失敬。
次次点『ブランカニエベス』
「誰もが知る物語を如何に魅せるか」が製作者たちの腕の見せ所だとするならば、これはその一つの挑戦の形。スペインのリズムと情熱に彩られたモノトーンの世界の中で繰り広げられるそれは、白雪姫の形を借りながらも王子とのロマンスではなく父親と娘の物語に昇華する。改善点はあれど、新しい試みとして大いに支持したい
珍作『鑑定士と顔のない依頼人』
一流の映画人たちが作ったことは分かるのに、主演俳優も巧いのに、この監督の放つ童貞臭は衰えるどころかますます強烈に我々を侵していく。前半が巧すぎただけに後半のみえみえの展開とミスリードにすらならない強引な落とし所に失笑の嵐。でも嫌いにはなれないという変な映画
ベスト候補
『リンカーン』『ラストスタンド』『紙ひこうき』『パシフィック・リム』『タイピスト!』『マン・オブ・スティール』『怪盗グルーのミニオン危機一髪(試写)』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』『ウォールフラワー』『ムーンライズ・キングダム』
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