映画「ペコロスの母に会いに行く」は、2013年に公開された森崎東監督の遺作です。原作は、漫画家・岡野雄一のエッセイ漫画「ペコロスの母に会いに行く」で、認知症を患った母親とその息子の関係を描いた作品です。
私は、この映画を観て、認知症の患者とその家族の苦悩や、介護の難しさについて考えさせられました。また、家族の絆の大切さや、人生の意味について、改めて考えさせられる作品でした。
映画の主人公は、認知症を患った母親・みつえと、その息子・ゆういちです。ゆういちは、仕事で東京に住んでいましたが、みつえの認知症が悪化したため、故郷の長崎に戻り、介護をすることにします。
ゆういちは、最初は、母親の介護に戸惑い、苦労します。みつえは、物忘れがひどくなり、時には暴れたり、妄想を話したりすることもありました。ゆういちは、母親の行動に怒ったり、悲しんだりしながらも、懸命に介護を続けます。
そんな中、ゆういちは、母親の過去を知ることになります。みつえは、戦争で夫を亡くし、苦労して息子を育ててきました。ゆういちは、母親の苦労を知って、母親への理解が深まります。
また、ゆういちは、母親の介護を通して、自分の人生について考え始めます。ゆういちは、仕事に追われる日々を送っていましたが、母親の介護を通して、家族の大切さや、人生の意味を改めて理解するようになります。
映画の終盤、みつえは、施設で亡くなります。ゆういちは、母親の死を悲しみながらも、母親との思い出を胸に、新たな人生を歩み始めます。
この映画は、認知症の患者とその家族の苦悩をリアルに描いた作品です。みつえの認知症の症状は、認知症の患者の症状をよく表しています。また、ゆういちの介護の苦労や、家族の絆の大切さも、よく描かれています。
この映画を観て、認知症の患者とその家族の苦悩を理解し、少しでもサポートできるようになりたいと思いました。また、家族の絆の大切さや、人生の意味について、改めて考えさせられる作品でした。
以下に、映画の印象に残っているシーンをいくつか挙げたいと思います。
- ゆういちが、母親に初めて介護するシーン。ゆういちは、母親の着替えやトイレなど、基本的なことを教えてもらいながら、介護を覚えていきます。
- ゆういちが、母親の過去を知るシーン。ゆういちは、母親が戦争で夫を亡くし、苦労して息子を育ててきたことを知ります。
- ゆういちと母親が、ランタン祭りに行くシーン。ゆういちは、母親の笑顔を見て、少しずつ母親との距離を縮めていきます。
この映画は、認知症の患者とその家族の苦悩や、家族の絆の大切さについて、考えさせられる作品だと思います。