がつがつと、たくさん食べている紅を見たら体から力が抜けていき、座っている椅子の背にもたれて、なんだかぼーっとした。
晩ご飯には少し早い。他の人はまだ席についてはいなかった。
『少し早いけど、菫ちゃんも食べようか』
緑子様がそう言って微笑んだ。でもさっきの混乱が私を放心状態にしていて、体を動かせない。
・・・紅はなんだか変わった。
見た目ではなくて、心でもなくて。
心の外側?
よく読めない私にはまだ分からない。
しっかりした?
見えない鎧でも着たよう。
がっちりと固められ、ひとつのことだけをするための鎧。
強いけれど、もう脱ぐことはできない、重い鎧・・・
腹ごしらえをした後、紅は指先ほどの守り石を出した。
それを指の先に乗せ、眉を寄せてじぃっと見た。
ぼわん!
丸っこい黄緑色の物体がふよふよ浮いている・・・
『・・・ふーせん・・・』
『ウルセェな!ウグイスだよ、ウグイス!』
紅は照れ隠しに怒って、私はもう一度見直すけど、
どーみても、そーは見えない・・・
私が笑いを両手で隠すと、紅も笑った。
『あはっ、しょーがねーだろ!御使だよ御使!あははっ!』
お腹をかかえて笑った。
華瑶苑を無人にはできないらしい。紅はとても綺麗なピンク色の扉を開いて、ウグイス(?)をあちらへ送った。