悲しい気持ちが、ふっと遠のいて静かになった。
しばらくしたら、胸が弾んでドキドキ、ワクワク、飛び出しちゃいそう!
何?どうしたのわたし、楽しいよ?
思わず笑ったら、ユカリ姉さまがあれって顔をした。
緑子様もちょっと笑った。
『もう大丈夫のようだね』
『ほんと』
ユカリ姉さまも息を吐いて笑った。
私の胸の中は楽しい気持ちではちきれそう!
『菫!』
ドアがばんって開いて紅が飛び込んできた!
私を捕まえる。
『聞けよ、凄ぇんだぜ!』
満面の笑みで私を振り回した。
『俺さ、華瑶苑行ったら、あっこ遊園地にしてやるよ!んで一日中遊ぼうぜ!楽しみにしてろよ!』
うわあ!!
『遊園地、行きたかった!嬉しい!いっぱい遊ぼうね!すっげぇ!』
『すっげぇですって?』
緑子様が言葉遣いを聞き逃さなかったが、そんなことは私の中から弾き飛ばされちゃうの!
私の胸をいっぱいにしてた紅の「楽しい」と自分の「嬉しい」が私をぱんぱんにする!
ふくれ上がって風船みたい!
私が喜ぶと紅の気持ちももっと大きくなって私に流れ込む!
悲しい気持ちは私を沈ませるけど、それほど辛くない。
でも、紅が楽しいと私も楽しい、紅が嬉しいと私も嬉しくて喜びはどんどんふくらむの!
守護の力って素敵!
紅にもわかるといいのに!
紅は最後の守り石を出した後長い眠りにつき、私はまたひとりになったけれど、その間ずっと楽しく待つことができた。
そう言えば師範はやっぱり、緑子様の側に隠れていた。
旅立つ日の、その時まで・・・