ロマンティックエロティックグロリアス -80ページ目

ふと見ると、笑うでもなく無表情でもない師範の横顔・・・


どうしたのかな。ずっと・・・


私の視線にこちらを見た師範は、くちびるが重すぎて開かないのよとでも言うように、心で話しかけてきた。


「菫ちゃん・・・」


声が、なんだか細くて小さい。


「今のあたしは、生きているのが精一杯なの・・・ごめんね。早くお前の師範に戻るからね」


師範は笑おうとして、できなかった。

キラリと涙が光った。


師範の心は読めない。

ただ、心の声だけが痛々しく届く。


『何があったのですか?』


聞いてみたけど、次の瞬間に師範は消えていた。

私にはその程度も色も、何も分からなかった。

師範の言葉の意味も・・・


その頃の私には、ただただ不思議だった、師範の涙――