ウグイスの姿で出てきてしまったことに、トイレに入って気が付いた。
今もとの自分に帰れば、もう一度菫の前に戻ることになる。
いいや、ウグイスのまんまで・・・
どこ行くでもなかったが、逃げ出すだけの為に出かけることにした。
てくてくと、ただ歩く。
この道は、道場に続く道――
懐かしい思い出・・・
もう、懐かしい思い出になってしまったんだ。
ほんのちょっと前のことなのに。
この先へ行っても、汗だくで稽古する透はいない。
天仙京に見えるこの町には、だけど俺たち以外に人はいない。
こんなの淋しくなるだけだな――