緑子様がつまっていた時間はそう長くなかった。
『まっ、いいでしょう。今は緊急事態なのだし、いつまでもグズグズしているような人を待ってなどいられませんワ。人のかけたガード破るなんて久しぶりだけど、それはそれで楽しいワ♪』
ロザリオを持った手を口元に当てて、ふふ~ん♪とか言って紅をチラッと見た。
紅がぎくっとして緑子様と焔様を交互に見る。
『わかりました』
はぁ・・・と深いため息を吐いて、緑子様はそう言った。『ご足労を頂きまして申し訳ございませんでした』
そう言って開かれた扉に首を振って、
『イイエ、もしダメでしたらまた来なくっちゃイケナイから、まだいるワ。早くお呼びなさって♪』
緑子様は躊躇したけど、焔様の言う事はもっともだったので、もうひとつため息ついて、扉を開いて、一度姿を消した。それを見て紅。
『呼べばいいじゃん』
『いきなりこの場に呼んだりできないでしょ』
呼ばれたら、一瞬だもの。
紅って気が利かない。