なんとかスキを見て家を抜け出し、あの石垣の道へ急ぐ。
もう通っちゃってたらどうしようと少し焦った。
でも視える。駆けてくる。
菫はいつも走ってる。小さい体で・・・
『おい』
なんて声かけていいか分からずぶっきらぼうにしか呼べなかった。
菫は俺を見上げて、すぐにぷいっと前を向いて走り去ろうとする。
『待てよ』
追いかけて石垣の上を走る。なかなか足が速い。
足には自信があるけど、守護の子がどれくらい走れるのか分からなかったので前に飛び降りて遮った。
菫のアイオライトの瞳が俺を見る。
射るようなまなざし・・・その色は、俺を拒絶してはいない。
どうしていいか分からない風で、俺の出方を待っている。
『あのさ・・・』
『私急いでるの』
『知ってるよ、でも聞いてくれよ』
『何?』
深い群青色の瞳が光る。
『お前、守護だろ?』
だから何なの?という顔をされる。
内心ひるんだが言わなきゃ始まらない。
『俺を守護しろ』