まっすぐ家へ帰った。
姉ちゃん達はいなかった。
家の庭に花を探したけど、もう咲き終わったアジサイやユリが枯れていて、あとは小さい花ばかりだった。
菫には大きい花をあげたい・・・スミレの花は小さいのに、あいつにはでかい花が似合いそうだ。たとえば・・・ひまわりとか。
ひまわりは庭にいつも咲くけど、まだ腰ほども丈がない。咲くにはまだまだかかりそうだけど・・・
なんだか無性にひまわりがいいと思えてきて、力を使って生長させる・・・俺にはまださほど力がない・・・すぐに息切れして、休憩する。
地面に仰向けにころがって、荒い呼吸を整える。
謝るっていっても何を謝っていいか分からない。
俺のこと話すっていっても、なんて言えばいいか分からない。
好きでもなんでもないって、透は言ってたけど・・・
なんでもなくはない。
好きとか分からないけど。
だから、何かあげることで伝わることがあるのなら・・・
弾みをつけて起き上がる。もう一度力を注いで、ひまわりをなんとか咲かせることができた。すぐにぶちっと力を使って摘んだ。
走り出そうとしたら、立ちくらみがしてしゃがむ。
俺は弱い。
大したことって、なんにもできない。
逃げ回ってばかりの臆病者だ。
甘やかされてわがままに育ってる。
女の子に優しくなんてしたことない。
こんな俺でも、好きになってくれるかな・・・?
菫の家の前の、公園に着いた。もう暗い。
菫がひとりで部屋にいるときがいい。
親に見つかるなんてめんどくさいことは避けたかった。
木の上で、待つ。
気持ちか・・・ひまわりがごめんの気持ちなら、守護になって欲しい気持ちはどうやって伝えるんだろう。
手のひらを見る。
小さい白い手のひら・・・
握ってみる。ぜんぜん強くなさそうな拳。鍛えてる透とはかけ離れてる。
この手でできること・・・
もう一度開いて、手のひらに集中する。
手のひらの真ん中に――
やがて現れる、薄紅色の小さな石・・・
すぐに息切れしてそれ以上大きくできなかったけど、5ミリくらいにはなった。
これが気持ち。
俺の、真剣な、気持ち――