ロマンティックエロティックグロリアス -156ページ目

まっすぐ家へ帰った。

姉ちゃん達はいなかった。

家の庭に花を探したけど、もう咲き終わったアジサイやユリが枯れていて、あとは小さい花ばかりだった。

菫には大きい花をあげたい・・・スミレの花は小さいのに、あいつにはでかい花が似合いそうだ。たとえば・・・ひまわりとか。


ひまわりは庭にいつも咲くけど、まだ腰ほども丈がない。咲くにはまだまだかかりそうだけど・・・


なんだか無性にひまわりがいいと思えてきて、力を使って生長させる・・・俺にはまださほど力がない・・・すぐに息切れして、休憩する。


地面に仰向けにころがって、荒い呼吸を整える。


謝るっていっても何を謝っていいか分からない。

俺のこと話すっていっても、なんて言えばいいか分からない。

好きでもなんでもないって、透は言ってたけど・・・


なんでもなくはない。

好きとか分からないけど。


だから、何かあげることで伝わることがあるのなら・・・


弾みをつけて起き上がる。もう一度力を注いで、ひまわりをなんとか咲かせることができた。すぐにぶちっと力を使って摘んだ。

走り出そうとしたら、立ちくらみがしてしゃがむ。


俺は弱い。


大したことって、なんにもできない。

逃げ回ってばかりの臆病者だ。

甘やかされてわがままに育ってる。

女の子に優しくなんてしたことない。


こんな俺でも、好きになってくれるかな・・・?


菫の家の前の、公園に着いた。もう暗い。

菫がひとりで部屋にいるときがいい。

親に見つかるなんてめんどくさいことは避けたかった。

木の上で、待つ。


気持ちか・・・ひまわりがごめんの気持ちなら、守護になって欲しい気持ちはどうやって伝えるんだろう。


手のひらを見る。

小さい白い手のひら・・・

握ってみる。ぜんぜん強くなさそうな拳。鍛えてる透とはかけ離れてる。

この手でできること・・・


もう一度開いて、手のひらに集中する。

手のひらの真ん中に――

やがて現れる、薄紅色の小さな石・・・


すぐに息切れしてそれ以上大きくできなかったけど、5ミリくらいにはなった。


これが気持ち。

俺の、真剣な、気持ち――