『元気で――』
腕をひと振りして紅とユカリ姉さまはそれぞれの扉を開く。
ピンク色の紅の扉、紫のユカリ姉さまの扉が、別れを惜しむ私たちを挟んで輝く。
『紅子!』
『紅ちゃん!』
姉さま方は紅を抱きしめた。
『・・・うん』
紅も腕を添えて、おふたりの気持ちを受け止めた。
『じゃあね?』
『体に気をつけて』
姉さま方の腕が、紅の体を撫でて離れる。
『うん。・・・そっちもな』
優しい腕は、そう言った背中を、私の背と一緒に優しく押しやった――ピンク色に輝く扉へと。
その先には、緑濃い華瑶苑があるの。
広い広い大地は見渡すことすらできない密林、濃い霧立ち込める植物と動物のパラダイス。
紅と二人で、あそこに遊園地を作ろう。
そして誰にも邪魔されない楽しい時間を、いつまでも続けよう。
困ったことがあってもだいじょうぶ!姉さま方の守り石はいつでも私たちを助けてくれるはず。
私たちには、夢みたいな毎日が待ってるの!
紅はあと一歩ってとこで振り向いて、
『じゃあな!』
って笑った。 まったくもう、お前はいつもそればっかり!
って緑子様の声が聞こえる気がして少し笑った。
せーの、
で、手をつないだ私たちはその一歩を踏み出した。