『ほんとうならすぐにでも修行に入りたかったんだけど、事情が事情だし、ここには他に人がいないから安全だと思って待ってたんだよ。でも、ここも落ち着いたようだし、そろそろどうかと思うんだ』
師範が、微笑んでそう言った。元気そう。良かった。
『修行ってなにすんの?』
『うん、ほんとうなら守護の里の町へ行って、体術と心の修行の両面を鍛えるんだけどね。梅宮様が嫌がると思うから、しばらくはここで』
私がいなくなったら紅はひとりになっちゃう。
そんなことはできないよ。
『あたしがここに来るよ。いいだろう?』
紅は、嫌、とは言えなかった。