現れた師範は、もう泣いてはいなかった。
げっそりとやつれた顔は血の気がなかったけれど、からだも壊れそうな感じを否めなかったけれど。
『長、申し訳ございませんでした』
まずそう言って頭を下げた。焔様は小首をかしげて少し見つめ、言った。
『しっかりして?ワタクシ、ヒマじゃないんですのよ。アナタがどうなろうとかまわないケド、責任は果たさないとね。それが守護っていうもんじゃありませんの?』
『はい。至りませんでした』
師範はずけずけ言う焔様を見て、少し微笑んだ。
『蒔の判断は間違ってないと思うワ。少し離れてたら?そうして気づくこともあるデショ?いつまでもめそめそしてるなんて、あり得ませんワ』
師範はどんどん笑顔になっていく。
どうして?
『いいワ。じゃ知識を渡す。ポートを用意』
言うなり、焔様の方から、細い黄緑の光が師範の頭の一部に流れ込んだ。
師範は目を閉じている。