ゲームならではの体験と聞いて真っ先に思い出すのは「ペルソナ5」と「NieR:Automata」だろうか。
「ペルソナ5」ではサブ要素がメインストーリーに収斂していく設計が,プレイヤーの体験をゲームに反映していくアトラス作品の特長が生きた。
「NieR:Automata」では,前作から続く「誰かを救うために自らの存在を懸ける」ことを今回も描き切った。トロフィーを購入できるシステムを導入するなど,ゲームの現状を問い,限界を突き詰める姿勢も健在だ。
ストーリーをただの鑑賞ではなく確実に体験させるゲームは記憶に残りやすい。
(質問)
今井さんの寄稿やアトラスの橋野さんのインタビューが載っているということで『ゲンロン8』を購入して読んでいます。まだ今井さんや橋野さんの記事以外は読めていませんが,それぞれ読み応えがあり,買って良かったと感じています。
『ゲンロン8』の橋野さんのインタビューに登場した「JRPGは経験装置である」という考え方,そして「娯楽にはメッセージ性が必要だ」という考えについては,1990年代後半の作品からアトラス作品を追ってきた自分にとっては納得できるものでした。メガテンシリーズやペルソナシリーズを遊んだ経験,例えば「デビルサマナー ソウルハッカーズ」にて,天海市でパラダイムXを巡る戦いに身を投じた経験,例えば「ペルソナ2」にて,珠閒瑠市で起こる噂の現実化に抗った経験,例えば「ペルソナ5」にて,自らの道を守るため世界と戦った経験,他にも多くありますが,いずれも作品内で完結せず,人生の教訓として大いに役立っています。
最近になってプレイヤーの世界に近い世界観で描かれる作品が増えた一方,プレイヤーの現実に働きかける作品はそれほど多くないと感じています。ゲームの体験は作品内で完結するのが望ましいか,プレイヤーに何か教訓を残すべきか,皆さんのお考えを伺いたく思います。

via 浪人会議
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