ecoの大切さ ecoについて考えてみるをテーマに物語を記しています。

第1話 black and blue 2部目です・・・・


black and blue
Black and Blue

2


いったい何時間・・・・いや何日たったのだろ・・・・朦朧と微かな意識の中

で彼はとんでもない事に気がついてゆくのだった・・・・・・・・

「なんて温かく心地良い所なんだろう・・・・」

「太陽は、まるで自分の体の一部と思えるほど適切に心地良いし、

波の音は一定のリズムを刻み嫌にならない・・・・

しかも空を見ればまぶしくないほどの青い空を見る事ができる・・・・

全てが自分と調和した空間がここにある」

しかしなぜ自分がここに居るのか?

いったい自分は何処から来て・・・・

何処に行こうとしているのか・・・・

自分の名前・・・・友達の顔・・・・母親の声・・・・

過去と言う過去の記憶がまったくない・・・・


少しずつ意識を取り戻しながらも、この現実にピントを合わせながら

彼は絶望してゆくのだった・・・・・・・・


ふとそんな思いに更けこんでいるうちに日が沈んでしまう・・・・

そう思っていた彼は・・・・おどろいた・・・・

それはいっこうに太陽が沈む気配すら感じられない事だった・・・・

そして空にも雲ヒトツ見当たらず、ただ真っ青に透明な広大な空が

永遠と変化を見せる事などなく広がっていた・・・・


彼は今目覚めたかのごとく、すっと起きあがった。

とても居心地が良い・・・・それは分かる。

しかしこの居心地の良さが永遠とつずいたら・・・・

「こわい・・・・」

もし、ふとした拍子にこの居心地の良さが急になくなってしまったら・・・・


彼は立ち上がった・・・・弱り果てた体を構おうともせず・・・・


浜辺を何時間か歩いた・・・・

この現実がどう言うものなのか、いったい自分は誰で、何処から来て

何処に向かおうとしていたのか?

そしてなぜこの浜辺は、いっこうに様子を変えようとしないのか?

それを知る為に彼はひたすら歩き他の誰か第三者を探し求めた・・・・

しかし人間の姿も見あたらなければ・・・・動物、魚、虫、1ぴたりとも

見あたらず・・・・

生きてると感じられる物は大きく育った木々と草花だけで、それが妙に

不自然な物の様にどうどうと生い茂っていた・・・・・・・・


「この島・・・・いや大陸かもしれない・・・・いやおそらく島だろう・・・・

いったいどれほどの広さがあると言うのだろうか?」

彼は浜辺から生い茂る木々をかき分け島の内部へと入っていった・・・・


つつ”く