ecoの大切さ ecoについて考えてみるをテーマに物語を記しています。

第1話 black and blue の3部目です・・・・


black and blue
Black and Blue

3


「静かだ・・・・」


確かに静かなはずだった・・・・

本来ならば鳥の囀りや、風の音が木々の葉を刺激して無数の音を

奏でているはずだし、普段は気にもならない様な音まで聞こえて

きてもおかしくない・・・・

なのに聞こえてくる音と言ったら彼自身が草や木々をかき分けている

ばかりだった。


彼は木々をかき分けながらも、その葉や木の先端を隅々まで

調べ、他の生命を探し続けた・・・・


そうしてしばらく進むと草や木々は姿を消しはじめ

何やら丘の様なものが見えはじめてきた・・・・

彼は場面の変化に期待をもった!!

「あそこまで辿り着ければ何か新しい展開がきっと待っているはずだ!!」

彼は結して幸せではないはずだ・・・・今のこの現状を考えたら生きている価値も

ない!!そう思ってあたりまえだが・・・・

丘の様な盛り上がった処に辿り着きたいと言う気持ちから生きている喜びを

感じたのだった・・・・


息は完全に上がりはじめていた・・・・

目もかすみぼやけはじめている・・・・


しかし彼は走り続けていた・・・・


なぜなら彼はこんな姿になっていても、生きている喜びを感じてしまったからなのだった。


「はぁ・・・・はぁ・・・・」吐く息の音が彼の中でまるでエコーがかかっているかのごとく響いていた。

走り始めてからどのくらい時間が経過したのか・・・・

彼の生きがいでもあるあの盛り上がった丘もずっと同じ位置にしか見えてこない・・・・

彼は無の境地から思いはじめていた・・・・

「ひょっとして俺は夢でも見ているのか・・・・」

「なぜ、あの盛り上がった丘はずっと同じ姿をしているんだろう・・・・」

「まさか俺は走っていないのだろうか?」

「気ばかりがあせって走ってるつもりになっていたのか?」


・・・・・・・・そう彼は走ってはいなかったのだ・・・・

傷ついた体をひきずる様に・・いや地面に這い蹲る様に、丘だけをにらみつけながら、よつんばになり

進んでいたのだった・・・・


彼は我に返ると大の字になり地面に引き付けられる様に寝そべった・・・・

空は相変わらず真っ青で雲ヒトツありはしない・・・・

又時間を感じさせる動きも何ヒトツ見当たらない・・・・

彼は思った。

「きっと嫌な夢をみているのだ」

今から眠りについて、起きたらそこには何も違和感のない普通の世界があるに違いない・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・「な・んだ・か・・・・・・・・・・・・」

彼は死んで行く様に眠りについていった・・・・



・・・・・

・・・・・

「たかし!!」

たかし!!

「起きて!!」「たかしったら!!」「もう!!」

ウィーンーピュウー・・・・

「エアーカーが走る音」

「うあー!!!!!!」


「うあー」

「じゃないわよ!!」

「たかしったら私をドライブに連れてってやるとか言って、昼食とってエアーカー自動モードに切り替えた

途端に死んでしまったみたいに眠っちゃうんだもん・・・・・!!」

「なんなのーもう!!」


車と呼ばれたガソリンで走る20世紀の産物は、地球に大きなダメージを残した・・・・


人間が生きて行く中で一番大切なものとは何なのか?

その答えを探し続け21世紀後半人類は大きな発明をした。


それは地球上のエネルギーというエネルギーを使用せずとも、より良い生活ができると言う

システムをみごとに22世紀前半からなしとげたのだった。

火は燃えない・・・・空気は存在しない・・・・油は何の価値ももたない・・・・海は汚れない・・・・


地球は、人類を必要としていないのではなく、人類は地球を必要としていない!!

そんなキャッチコピーが世を騒がせていたのだった・・・・・・


ではそれはいったいどんな世界なのだろうか?

空気がない?

いったいどういうことなんだろう・・・・・・・・・・・


そうそれは「光」・・・・・光が世界を支配する社会・・・・

一言で「光」と言っても光にはさまざまな種類が存在する・・・・

例えば太陽の光・・・・これは人間には必要だし人間以外の全ての生き物に必要なものだ!!

そして電気!!電気の光・・・夜がくれば電気を必要とする・・・・

暗闇の中では何一つ物事をうまく進行する事はできない・・・・

では火を使い火の光についてはどうだろう・・・・・?

これもまた原始的な考えとなる・・・・

人類は一番始に火をおこした事によりその強さを獲得し続ける事ができた・・・・

だがこれらは21世紀までの光の産物でしかないのだった・・・・


では「光」とはどのようなものを指すのか?

簡単に言うのなら一言で電気・・・・なのだが、地球の中で発電を起こすと言う物の事を指す訳では

なかった・・・・・・


22世紀初頭 pino と言う一人の女学者が宇宙の第7ステーションという場所「以前は冥王星と呼ばれていた惑星の

付近」で、宇宙の力で電気を発電する事ができると言う事実を発見した・・・・・・


つつ”く