ソーシャル・ネットワーク
アカデミー賞3部門受賞おめでとうございます。
(脚色賞、編集賞、オリジナル作曲賞)
アカデミー賞向きの派手作品じゃないし、こんなもんなのかな・・・
でも編集はとてもおもしろかったので納得でした。
・・・ということでやっと「ソーシャル・ネットワーク」をやっと見に行くことができました。
「Facebook」創設物語のような映画だと思っていたのですが、なかなかディープな人間ドラマですごく面白かったです。
主役はFacebookの現CEOマーク・ザッカーバーグ、これを演じるのはジェシー・アイゼンバーグ。
2010年、フォーブスが発表した「世界で最も若い10人の億万長者」の第1位に当時25歳の最年少でランクインした話題の人物。
このマークという男、プログラミング開発の天才なんだけど、なんせ社会性ゼロ。
当然彼女にもふられるんだけど、腹いせにネットに彼女の悪口書きまくったりとか、性格にも問題あり。
自信満々の天才・・・一言で言えば嫌なヤツ!でも不器用なヤツ!
当然友人もエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)くらいしかいない。
ハーバード大学内のシステムをハッキングしたり色々問題児なマークのプログラミング能力に目をつけたのが学内ボート部のスターである双子のウィンクルボス兄弟(アーミー・ハマ―が一人二役)。
彼らはマークにharvard.eduドメインに群がる女達目的に、ハーバード大学生専用「ハーバード・コネクション」のシステム制作を依頼するんだけど・・・
ハーバードでオタクでもてない上に友人もあまりいなくて孤独感を味わっていた一天才学生が、人と繋がりたくて作ったサイトがfacebookだった、という事です。
マークはいわゆるエリートにありがちな上昇志向の人間ではなくて、クールな事をして好きな人に振り向いてもらいたい思う社会性に大きな問題ありの天才肌のオタク青年として描かれていました。
対照的にエリート志向の人間として描かれていたのがウィンクルボス兄弟。
彼らは何も自分ではやろうとしなくて、上からマークに指示するんだけど、結果マークに裏切られます。
何も生み出さなかったくせに、訴訟を起こし、最終的にはマークから漠大な金を合法的に奪います。
マークはfacebookのヒットで、一番失いたくなかった親友エドゥアルドも失ってしまうし、一番戻ってきてほしかった彼女も戻ってきてくれなかった。
元彼女のfacebookにアクセスしてF5連打がかなり切なかったです。
ネット上で沢山の人がコミュニケーションを求めて殺到するサイトを作った人物も、結局はリアルな人間関係を欲するというのがちょっと皮肉な感じです。
利害関係が生じるといい人なんて一人もいない・・・というかいい人じゃいられないって所がとてもリアルに描かれていました。
この映画の製作にあたり、facebook側からの協力は得られなかったそうです。
facebookを追われたエドゥアルドが監修となっているので、エドゥアルド視点のようで、マークとショーンパーカーは内容はうそっぱちだと言っています。
現実はもっとドロドロなのかもw
そんな2人でも「映画としては面白かった」、と言わざるをえない内容です。
ハーバードっぽい超早口議論も見所です。
現在社会が抱える人間ドラマをとてもスピーディに描いていて、見応えのある作品でした。
ハーバード大学では皆起業を志し、サラリーマンや公務員を目指す生徒は少ないといいます。
そういう起業家精神を教育するハーバードの校風のようなものも興味深かったです。
新ビジネスが生まれにくいと言われている日本、教育もその一つかもしれないなぁ、と色々考えさせられました。
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)/デビッド・カークパトリック

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