我が愛しのカルト映画

我が愛しのカルト映画

カルト映画に限らず、主に旧作を中心に【ネタバレ】全開で映画の感想を書いています。
細かい考察はできませんのであしからず。

Amebaでブログを始めよう!

キミに逢えたら!

Nick and Norah's Infinite Playlist

★★★☆

 

 

 

 この映画ではミックスCDだけど、お気に入りの曲を集めたカセットテープは俺ぐらいの世代の人ならば誰でも一度は作ったことがあると思う。さすがに俺は女の子にプレゼントとして渡したことはないが、アルバムの中から好きな曲を抜粋したり、FM放送をエアチェックしたりと、編集作業は楽しいもんである。自分の選曲が他の人にも気に入ってもらえたならば、こんなに嬉しいことはない。この映画の主人公のニックは、自分が選曲したミックスCDを元カノのトリスに渡していたが聴いてはもらえずにゴミ箱行き。それを拾っては聴いていたノラはその選曲のよさに誰とも知らずに惚れこんでいた。

 

 

 元カノのトリスに未練タラタラのニックとノラをくっつけようと仲間が画策する中、彼らが憧れるバンドのシークレット・ライブがどこで行われるのか、その会場を探して一晩中マンハッタンを走り回る。一夜の出来事の中で男女がぎこちないながらも次第に惹かれ合ってゆくというボーイ・ミーツ・ガールものの映画なのだが、ニックの3人の仲間はみんなゲイだったり、ノラの連れのキャロラインはずっと泥酔したままだったりで、まあ、賑やかなことこの上ない。彼らが憧れるバンドの「フラフィ」のシークレット・ライブ会場は壁に書かれたウサギが教えてくれる。それを追えばライブ会場に辿り着ける。まるで白ウサギの後を追うアリスのように、彼らはマンハッタンというワンダーランドを駆けめぐる。そんなわけで、劇中にはマンハッタンの夜遊びスポットがいっぱい出てきます。こういう描写は実際に遊んでいないと描けないでしょうね。

 

 

 爽やかな青春映画かと思いきや、多くの観客をドン引きさせるシーンも用意されていて、キャロラインがトイレで嘔吐するくだりはちょっと耐え難いシーンです。彼女はなぜか四六時中、ガムをクチャクチャと噛んでいるのだが、ケータイと一緒にガムも便器の中で落っことしてしまい、それを素手で拾って再び口の中に戻すのだ!フツー、んなもん口に戻さんだろうが!(このガム、キャロラインからノラへ、ノラからニックへと回っていきます)。自分からニックをフッておきながら、ニックがノラと仲良くしているのが面白くないトリス。このへんの女の子の複雑な心境は、分からなくもないです。ニックって確かに頼りがいはあまりなさそうだけど、優しいんだよね。トリスはホット・チョコレートの名曲「You Sexy Thing」をBGMにストリップまがいのダンスでニックを誘惑するも、彼の心はここにあらず。ノラへの想いに気付きトリスを置いて車で走り去る...。自分の想いに気付くというのはどの恋愛映画においても俺は好きなんです。

 

 

 マンハッタン中のナイトクラブに顔パスで入れるノラが、実はエレクトリック・レディ・スタジオのオーナーの娘で、そのツテでニックをスタジオに招き入れるのだが、壁にはたくさんのゴールド・ディスクか飾られ、年代ものの機材やら楽器やらが置かれている。このスタジオのソファの上でニックとノラは結ばれるんですが、その声をマイクが拾っちゃうってのがエッチですね。ニック役のマイケル・セラは『ジュノ』や『スコット・ピルグリム』でも分かる通り、優しいんだけどどこか優柔不断な男子役が似合います。ノラ役のカット・デニングスはすこぶる魅力的で、彼女の好演も見逃せません。

 

ノラを演じたカット・デニングスは『マイティ・ソー』やTVシリーズの『NYボンビー・ガール』でもお馴染み。寄せて上げなくても十分に巨乳です!