むかしむかし

あるところに

おなかのおおきなねこさんがいました



ねこさんは

おそとでくらしていました



そのため

あんぜんに

あかちゃんをうむところを

さがさなくてはいけません



そんなとき

”おうちにおいで”

といってくれるひとがいました



おなかのおおきなねこさんは

とってもうれしくて

よろこんで

おうちにいれてもらいました



そうして

おなかのおおきなねこさんは

あんぜんなばしょで

あんしんして

あかちゃんをうみました



おかあさんによくにた

とってもかわいいあかちゃんが

ごひきうまれました



おなかのおおきなねこさんは

おかあさんねこになりました



おかあさんねこは

しあわせでした



おかあさんねこは

それはそれは

たいせつに

こねこをそだてました



おちちもじょうずにあげました



こねこたちは

すくすくと

そだっていきました



あんぜんなおうちのなか


おかあさんねこは

なんのしんぱいも

ありませんでした



あるひのこと


おかあさんねこと

こねこたちは

なぜか

おそとにだされました




げんきにそだってねと

おそとにだされました




おかあさんねこは

とてもかなしくなりました



とってもとっても

かなしくなりました



なにかいけないことを

してしまったのか

いっぱいかんがえました




つめとぎがだめだったのかな



といれのすなを

ちらかしたのが

いけなかったのかな



ごはんをほしいと

ないたのがいけなかったのかな



いっぱいいっぱい

かんがえました



でもおかあさんねこは

かなしんでばかりは

いられませんでした



おかあさんねこは

たったいっぴきで

こねこを

まもらなければ

いけなくなったからです


おかあさんねこは

こどもたちに

そとのせかいの

おそろしさを

おしえていませんでした



くるまのこわさも

おしえていませんでした


ずっとずっと

あんぜんなおうちで

くらせるとおもっていたからです



むじゃきな

こねこたちは


ちょうちょを

おいかけたり


かぜでとばされるはっぱを

おいかけたりしているうちに



いっぴき…

またいっぴきと

おかあさんねこから

はぐれてしまいました



そうして


いつのまにか

こねこは

にひきになっていました



おかあさんねこは

がんばって

にひきのこねこを

まもりました



それでも

くるまのこわさをしらない

こねこは

どうろにとびだしてしまいました



あしにひどいけがをしました



おかあさんねこは

それでもがんばりました



なんとか

まもろうと

ひっしでした



けがをしているこねこを

みすてることなく

ずっとずっと

のこったにひきのこねこを

まもりました



たべるものもなく

とほうにくれていたとき


おかあさんねこと

こねこを

みつけてくれたひとがいました




くるまにのせられて

むかったところ



そこは

あんぜんな

おうちのなかでした



おかあさんねこは

ちょっぴり

あんしんしました



だいじょうだからねと


こねこの

あしのちりょうも

してくれました



おかあさんねこは

ありがとうと

おもいました



それでも

おかあさんねこは

いなくなった

さんびきのことが

わすれられませんでした



おかあさんねこは

いつまでもいつまでも

さんびきのことを

おもっていました




そして



おかあさんねこは

いまでも

さんびきのこねこに

あえることを

しんじているのでした





にんげんにうらぎられ

にんげんにすくわれた

おかあさんねこと

こねこの

おはなしでした…