聖地ムクティナートへ初詣 | チベせん日記

聖地ムクティナートへ初詣

2011元旦。
早朝7:05のフライトでジョムソンに飛ぶため、サランコットへ初日の出を見に行く予定のY子さん&S美ちゃんと5:30にホテルのロビーで待ち合わせをし、セクハラ顔のタクシードライバー、ルドラの車で空港まで送ってもらう。
空港で二人とお別れし、チェックインカウンターでやる気のない係員に荷物を預け、搭乗時刻まで二階の食堂でお茶しながら三日遅れの日記をつけていたのだが、一向に呼びに来る気配がないので少々不安になりウェイターに聞いてみると「いやぁ昨日のジョムソンは大雪で滑走路に雪が膝上くらい積もっているから今日は飛ばないかもしれませんよ」とまるで見てきたかのように身振り手振りで言い放ちやがったが、ネパリの言うことだから膝上はオーバーだとしても下界が土砂降りだった昨日、山は雪降りだったのはどうやら間違いなさそうだ。
う~ん困った。。実はトレッキングのスケジュールをけっこうカツカツの一週間で組んでしまったので飛行機が飛ばないとそれだけ山での日程が目減りしてしまうんだよね。。
まぁでもポカラージョムソン間のフライトはネパールの国内線の中でも悪天候によるキャンセル率が最も高い路線の一つなのである程度の覚悟はしており、最悪はベニまで行ってそこから乗り合いジープでジョムソンを目指そうと腹をくくって待っているとやがて地平線上に太陽が昇り始め図らずもここで初日の出を拝むことが出来た。

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2011年元旦ポカラでの初日の出

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その光を受けて見事なピンク色に染まるマチャプチャレ

同じく足止めを食らっている他の旅行者たちもこの時ばかりは歓声を上げて記念撮影に興じていた。
そういえば土砂降りだった昨日、ポカラのネパリたちは口々に「ラッキーだねぇ、これで明日は間違いなく素晴らしいサンライズが見られるよ♪」と慰めてくれたが本当だったんだね。ゴメンよ疑って(苦笑)。

その後しばらくすると手引きのリヤカー(笑)で荷物が滑走路近くに運ばれ始めたので(お!もしや?!)と思っていたら空港の隅っこでチンと駐機していたプロペラ機のプロペラがプーンと回り始め、やがて無事搭乗。


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オレの車の運転席と大差ないコックピットww

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フロントガラスにはチベット仏教のお守りがぶら下がっていたのだが、それが先日アンチン・ホトクトの転生活仏から頂いたお守りとそっくりだった。


それではいってきま~す♪

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離陸して10分も過ぎると飛行機は山間を縫うように飛行し始め、目前に迫る絶景にテンションが上がってくるのだが、、

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30分後、このフライトを経験したことのある地元のトレッキングガイドたちに「オレは二度とジョムソンフライトは乗らねぇ(((゜Д゜;)))」と言わしめる恐怖のランディングが待っている。これが狭く切り立った谷間の風がビュービュー吹きすさぶ滑走路にハンパないターンをかまして急降下していくのだが、自分も過去数百件のフライト経験の中でこの時ばかりは次の転生先を考えさせられるくらい十中八九、墜落するかと思った。

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幸い転生することなく無事着陸。これで皆さんに自分の転生者を探させる煩わしい思いをさせずに済み安堵しているが、いちおうせっかくの機会なので言わせてもらうと自分、来生はカゲロウに転生する予定なのでお探し頂ける酔狂な方は自分の四十九日が終わったら24時間以内に見つけて下さいますようお願い申し上げますm(_ _)m

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時刻はこの時点で10:30。強行すれば歩いてムクティナートまで行けないこともない時間だが、高地順応していないのと、天候不順で帰りの飛行機が飛ばなかった時の為、なるべく最初に時間を稼いでおきたかったので往路は一気にジープでムクティナートを目指すことにし、町外れのジープ乗り場までてくてくと石畳を歩いていくことにする。

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空港から歩きはじめて5分ほどのところにチェックポストがありここでアンナプルナ入域証のチェックを受ける。ちなみに自分、2011年ジョムソン側からムスタン入りした最初の外国人ということで地元政府からささやかなプレゼントの贈呈式があった(←TVの取材も受けた・笑)。

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街道筋で出会ったチビッ子たち。ナマステ♪

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下界のネパリたちに「ジョムソンちょー寒みぃよぉ(((゜Д゜;)))」と散々脅かされ、昨日も大雪だったというのでちょっぴりビビっていたが思わぬ快晴で歩いているとむしろ暑いくらい。

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馬に遭遇。なんかムスタンキターー!!ってカンジがする。

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橋を渡ると道が分岐しておりジープ乗り場はムクティナート&カクベニ方面へ向かう。

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おーなんかチベットとネパールをミックスしたような集落。ちなみにここら辺が本来のジョムソン村だそうでつ。

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道中、どこの誰に聞いても「ここから5分だよ」と言われ続けて20分。ようやくジープ乗り場に到着。一日二便のうち、9:00の便はすでに出発してしまったので次の11:00の便を待つことにする。

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出発までボードゲームで時間つぶしをする巡礼のネパリたち。

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朝から何も食べていなかったのでとりあえず自分はワイワイチャウチャウを注文。高地でろくな具はないのだが腹が減っていたので卵と玉ねぎだけで十分美味かった。

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食後、ぽかぽかと気持ちがいいので表のベンチでニルギリを眺めながらぼーっとしているとチビッ子ギャングの襲撃に合う。

チビッ子:「アンクル、チョッコレートディヌナ(゜Д゜)」

(↑おっちゃんチョコちょーだい)

自分:「マサンガチョッコレートチャイナ(´-ω-)y-~~~」

(↑チョコ持ってねーよ)

チビッ子:「アンクル、ビスケットディヌナ(゜Д゜)」

(↑じゃあビスケットちょーだい)

自分:「マサンガビスケットポニチャイナ(´-ω-)y-~~~」

(↑ビスケットも持ってねーよ)

チビッ子:「アンクル、パイサディヌナ(゜Д゜)」

(↑じゃあお金ちょーだい)

(#゚Д゚)ゴラァァァァァァァァァァァァア!!

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蹴散らかしたら数分後、仲間を引き連れて再襲撃にやってきたチビッ子ギャング団。ワンパクでもいい、たくましく育ってほしい。

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11:00を過ぎても一向に出発する気配も見えないので聞いてみると最終便は定員の7名に達するまで出発しないとのこと。
その後、13:00まで待ったのだが最後の一名がなかなか現れないので、すでに待っていた自分を含む6名であと一名分の乗車料600Rsを一人100Rsずつワリカンしてムクティナートへ向けて出発する。


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「ムクティナートまで道路が開通した」と聞いて一瞬でも舗装道路を想像した自分がバカだった。。昔のチベット旅行を思い出すぜ。

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エクライバッティ通過。昼過ぎなのでバッパーたちがランチをしている模様。

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ヤギのようでヤギではないなんとかという動物(名前失念)。こんなところに食べるもんなんてないような気がするが。。

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せっかく絶景なのに山にはまったく興味を示さない同乗のネパリたち。彼らの頭の中は聖地ムクティナートを参拝することでいっぱいなのだろう。
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ジャルコット通過。明日くるねぇ~(;´Д`)ノ

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悪路をぶっ飛ばすこと一時間半。ラーニパウワに到着。ここからムクティナートまでは徒歩になる。

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ムクティナートを目指しててくてくと歩いていくと参拝用のお供え物を売っている露店があり、各々ここでお供え物を購入する。

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なにを購入すればよいか分からない場合はおばちゃんがこんなカンジにセレクトしてくれるので大丈夫です。ボラれません。

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さぁここから聖地ムクティナートへの第一歩だ。

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が、けっこう遠いんですけど。。

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なんだか息が上がってきたお…
(;´Д`)ハァハァ

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ようやく山門に到着。いよいよチベット仏教、ヒンドゥー教双方の聖地、ムクティナートへ闖入する。

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ふり返れば絶景。ここで標高約3800mくらい。

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雪を踏みしめながら境内を進んで行くと、、

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まずはヴィシュヌ神が祭られているヒンドゥー教の聖殿、ムクティナラヤン寺院に到着。冬季は閑散としている為、基本的には聖殿にはカギがかけられており、参拝客は見張り番の警察官にお願いして御開帳してもらう。ちなみにパシュパティナート同様、外国人及び異教徒は参拝できないのだがちゃっかり他のネパリに紛れて参拝を果たす。

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ムクティナラヤン寺院を囲むようにあるウォーターウォールには108個の蛇口から聖水が流れ落ちていて、ここで沐浴すると罪業消滅の功徳あるらしいのだが、さすがに真冬の半分つららになりかけている状態のこの時期やるような漢は、、

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いた。。

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見てるこっちまでサミー…(((-Д-;)))

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続いてチベット仏教の寺院であるジョムラキ・ゴンパへ向かう。こちらもかつて国王がヘリを飛ばしてまで参拝に訪れた聖地。

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寺院へ続く道のマニ車は空き缶にペンキが塗られたものだった。エコって素晴らしい。

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これがジョムラキ・ゴンパ。一瞬家畜小屋かと思った。

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寺院内の様子。今まで訪れたチベット仏教の寺院のなかで最もスケールが小さかった。

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御本尊の観音菩薩の下の岩の間には天然の炎が揺れており、これが自然の大いなる力として信仰の対象になっているらしいのだが、約100年前にここを訪れた河口慧海は「愚民どもがあんなものを信仰しおって」的にばっさりとぶった切っていた。なぁ河口っつぁん、それは言いすぎだぜ。
ムクティナート境内にはこの他にもパドマサンババを祀ったニンマ派のゴンパがあるらしいのだがなんかもう面倒くさいから行かなかった。

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狂暴に腹が減っていたので参拝後はソッコーでラーニパウワまで戻り遅めのランチを取る。写真はモナリザゲストハウスで食べたダルバート。質素だが腹が減っていたのでもう夢中で食べた。マス(肉)がヤクのドライミートな所がチベットとネパールがミックスしているアンダームスタン的で面白い。

というワケで2011年の初詣は神社ではなくムクティナートで済ませてきますた(-人-)