ミニャクへの小旅行 | チベせん日記

ミニャクへの小旅行

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康定三日目はCが故郷のミニャクに連れて行ってくれるというのでミニャクまで日帰りでエクスカーションに行くことにする。
(写真は出発前に黒ゴマの甘い饅頭とバター茶で腹ごしらえしているところ)。


ミニャクは康定南西部に位置し、ちょうどダルツェンド、チャクサム、ナチュカ三県の県境が重なるあたり。日本人には海螺溝やミニヤコンカがあるところ、と言った方が分かりやすいかもしれない。
ミニャクに住むチベット人は西夏人(タングート、タンガット)の末裔とも言われ、ミニャク語という独特の言葉を話し、チベット人同士でも会話が出来ない。でも西夏があった場所って位置的には今の内モンゴルとウイグルとチベットが三つ巴になるあたりだよね?!一説にはシッキム王国もミニャク人が建国したって話もあるけどチンギス・ハンに蹴散らかされた後、そんな遠くまで散らかってしまったということなのだろうか…?
でも木村肥佐生氏の『チベット潜行十年』にはクンブム寺の門前あたりをぶらついている輩を“アムドタンガット人”と呼び、「長刀を脇に差し、肩肌脱いで傍若無人」と書いているし、う~んこのへん深入りするとワケがわからなくなるので止めておこう。


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道中、折多山(4290m)の山頂付近の写真。

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二時間ちょっとでミニャクの町に到着。

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Cの実家(雑貨屋を営業)に寄り、お茶を飲んでいく。写真はCのおかん。なお、Cのおとんはラサへ巡礼に行く為、この時は康定にいた。

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お次はDの実家へ向かう。宿場街から川沿いを走っていくと、

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何やら塔が見えてきたので後で寄ってもらうことにする。

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吊り橋を車で渡る時はさすがにビビったぜ^^;

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Dの実家に到着。おーなかなか立派な家ですねぇ♪

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チベットの田舎ではお馴染みの守衛さん。セキュリティーはとっても堅いので家人と一緒じゃないとマジでヤラれます。。

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「おいコラ、テメェ見かけねぇ顔だけどギャミじゃねぇだろうなぁ!?」

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姉歯氏も真っ青なくらい構造力学を無視した作りの一階。

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伝統的なチベット式の室内だが、無垢の木がふんだんに使われているところがこの地方の特徴なのだろうか。温もりがあっていい。

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この時期は薪ストーブがガスコンロも兼ねていて一石二鳥♪

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お昼にごちそうになった自家製チーズとチベタンブレッド。この自家製チーズが透き通るような酸味で本当に美味しかった。来年は絶対にこのチーズをつまみに赤ワインを飲む!と固く心に誓った。

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実家隣の空き家。なんでも築500年以上経っているのだそう。それってつまりこの辺りは地震が起こらないってこと?!

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食後は町外れにあるルク・ゴンパというニンマ派のお寺に参拝に行く。Cに『旅行人』の地図(第四版P130参照)を見せると「ここがルク・ゴンパ」と言い名がら“日庫寺”と書かれた寺を指さしていたが果たして正しいのかどうかのウラを取っていないのでしばしお待ちを(´Д`)ノ

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参拝がてらお寺の中を若いぼんさんに案内してもらいました。

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時々古いタンカがあったりする。コレなんか軽く100年以上前に描かれたものだが、きっと文革の嵐の中を隠し守った人がいたんだろうなと思うと敬服した気持ちになる。

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コレは組み立て途中のガンダム(たぶん1/5スケールのタミヤ製)。

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あちこちにパーツが転がっている。

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完成すると成都の遊園地に飾られる予定(うそうそ)。

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お寺の外にあったトイレ。ちゃんと「He」と「She」に別れていた。

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本当はお寺のケンポにご挨拶したかったのだが、あいにく所用で康定に出かけていていらっしゃらなかったので100元だけドネーションしてお寺を後にし、先ほど見かけた塔を見に行く。

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圧倒的な存在感でそびえ立つ二つの塔。恐らくロンダクあたりにある望楼と同じ類の物と思われるが、あまり英語の上手ではないCによれば「チベット語では“ゾ”と言うんだけどうまく説明出来ないから他のチベット人に聞いてくれ。“ゾ”と言えば知らないチベット人はいないはずだから」と言いながらチベット語で“ゾ”とノートに書いてくれた。後日その文字をカトマンズの(正確にはジャワラケルの)チベット難民キャンプに住む難民二世の友人に見せたところ「まったくワカラン」とのこと。おい、大丈夫かネパールチベタン。。

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歪みなく見事に石積みされている望楼。世界遺産レベルの石造建築物に引けを取らない完成度。しかしチベット人って凄いよね、全然算術得意じゃないのにこんなのとかポタラ宮とかアドリブで作っちゃうんだから(笑)。

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この日、当直の守衛さん。21世紀の今日も敵の監視に抜かりは無かった。

ガスがかかっていて見に行くのをあきらめたミニヤコンカ意外(この時期ミニヤコンカがみえるのは稀らしい)予定していた訪問は全て終了し、康定に戻る道中、五体投地しているグループに遭遇し、声をかけると、ミニャクからラサへ巡礼に出発したばかりとのこと。この極寒期に気が遠くなるくらい遠いラサまで五体投地で向かうと言うのだから、その敬虔な気持ちに日頃、仏心の足りない自分も本当に頭が下がる思いがした。


さて遅くなるといけないのでかっ飛ばして康定へ向かっていたところ、ダルツェムド空港との分岐点がある峠付近で同じくかっ飛ばす黒いフォルクスワーゲンジェッタとすれ違ったところCが「あ!ケンポだ!」と言って携帯をかけながらUターン。


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なんと所用で康定へ行っていたルク・ゴンパのケンポでした。しかしケンポ、自らハンドルを握るんですねぇ(しかも相当かっ飛ばしていた・笑)。

と、駆け足で回った日帰りのミニャク小旅行から夕方、無事康定まで帰ってきました。
ミニャクについては情報があまりにも少ないのですが、次回はもう少し予習をしてから再訪したと思います。少なくてもあのチーズで赤ワインだけは絶対に飲む!!